こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
「今の保育園を辞めて転職したい」と考えているあなた。
でも、過去に転職を何回か経験している方であれば、転職回数のことが気になりますよね。
たとえば、
- 「次の転職で3回目になってしまうけど、これって不利になる?」
- 「転職回数って何回目まではセーフ?」
- 「転職回数が多いと、どんな問題があるの?」
などという疑問がわいてくるのではないでしょうか。
この記事では、「転職回数が多いと、転職活動において不利になるのか?」という疑問に答えるとともに、「これ以上転職を繰り返さないための3つの注意点」についても詳しく解説します。
転職回数が多いことを、どうとらえて転換していけばいいのかがわかるので、安心して転職活動に踏み出せますよ。
あなたの望む生き方につながる転職にするために、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
目次
「転職回数が多い」とは何回くらいのことを言うのか
まず、「転職回数が多い」とは、何回くらいのことを言うのでしょうか。
「多い、少ない」の感じ方はそれぞれの園のとらえ方や考え方なので一概には言えません。
でも、そうはいっても目安としての回数は知りたいですよね。
イメージとして言ってしまえば、「転職回数は3回まではセーフ、4回以上になると多い」と思います。
保育士は、企業の一般事務と違って子どもを相手にする仕事であり、体力的、精神的にハードです。
そのため、園としても、「やむを得ない理由で転職する保育士は多い」と思っています。
そのため、「転職回数は3回くらいまでは許容範囲」と考えることは多いと思います。
転職回数の多い少ないは、「保育士歴」もあわせて判断される
ただし、この転職回数ですが、単純に回数だけで、「多い少ない」は言えません。
「保育士歴が何年あっての転職回数なのか」という視点で考える必要があるんです。
つまり、「1園ごとに何年ずつ勤めたのか」とか、「どんな理由で辞めたのか」ということの方が採用担当者には重要です。
たとえば、新卒として保育園で働きはじめ、「保育士歴6年で転職2回」の保育士Aさんと、「保育士歴3年で転職2回」の保育士Bさんを比べてみるとどうでしょう。
Aさんの場合は、最初に働いた園も加えると、6年間で3つの園に勤めたことになります。
単純に年単位で均等割りすると、「3園で2年間ずつ働いた」となります。
Bさんの場合は、3年間という短い期間の中で3つの園に勤めたことになり、「3園で1年間ずつ働いた」という計算になります。
もちろん、これはあくまでも均等に割ってみた架空の計算です。
きれいに、「〇年」という職歴ばかりではないはずですが、単純にやってみるとこんな計算も成り立つわけです。
そうなると、同じ「転職回数2回」のAさんとBさんですが、採用する園側としては、Bさんの方が、「転職回数が多い」と判断してしまうんです。
では、「転職回数が4回以上」になるとどうでしょう。
たとえば、「転職回数が4回」とだけ聞くと、「けっこう多いな」という印象ですが、「保育士としての勤務期間が20年の中で転職回数が4回」であればどうでしょう。
「20年間の中で5つの園に勤めた」というキャリアになり、勤務年数を単純に均等割りしてみると、1園につき4年間は勤めていることになります。
4年間勤めていれば、そこそこ、「その園での保育のやり方が身についた」と言えますよね。
なので、5つの園の保育スキルのバリエーションや20年間の社会人経験が大きな強みになります。
この場合、「転職回数4回」はさほどマイナスにはなりません。
逆に、「いろいろな園で経験を積んできた即戦力の保育士」という評価になるんです。
転職回数が多い保育士はやっぱり不利になりやすい
保育士の転職回数の多い少ないは、保育士歴の長さによって変わりますし、転職回数が多くてもマイナスになるとは限りません。
転職回数の多さよりも、保育士としての経験値の高さや確かなスキルが上回っていれば、それが強みになることだってあるんです。
でも、そこまで評価してもらえるような経験やスキルを身につけている保育士は少なく、転職回数の多さを高評価してくれる園は少ないです。
つまり、そこまでの強みがない保育士は、転職回数が多いとやっぱり不利になりやすいんです。
では、保育士の転職回数が多いと、具体的にはどう不利になるのでしょうか。
それは以下の4点になります。
- 履歴書を見ただけで不採用。面接につながりにくい
- 求人選びを焦って、園とのミスマッチを招く
- 給料がいつまでたっても安い
- 保育スキルが積みあがらない
では、一つずつ詳しく見ていきましょう。
履歴書を見ただけで不採用。面接につながりにくい
まず、転職回数が多いと、履歴書の選考段階で不採用になってしまう可能性があります。
そうすると、面接という土俵に上がれず、転職のチャンスをつかめません。
そのような園ばかりに応募してしまった場合、「何園も応募しているのに落とされて、面接につながらない」という辛い状況になってきます。
もし、何とか面接にこぎつけても、転職回数が多いと、それぞれの園の退職理由を追及されやすいです。
それだけ何度か転職したのは、どんな理由からなのか園側としても納得したいためです。
なので、そこでしっかりと受け答えし、園側に理解してもらわなければなりません。
求人選びを焦って、園とのミスマッチを招く
転職回数が多い保育士は、求人選びを焦ってしまい、その結果、園とのミスマッチを招きやすいです。
たとえば、「書類選考が通りにくく、なかなか面接までたどりつけない」ことが続くと、あなたの希望の条件を少しずつ下げて求人を探すようになりますよね。
園を選ぶのに、「贅沢は言っていられないな」という気持ちになるわけです。
ですが、希望の条件を落として焦って選んだ園では、たとえ入職しても長くは働きにくいです。
なぜなら、あなたの希望とはミスマッチな園なので、不満がたまりやすく仕事が楽しいとは思えないからです。
そんな職場では、人間関係を築くのもおっくうになってしまいます。
本来、園に慣れ仕事が楽しくなるには、ある程度時間がかかりますし大変さを乗り越える必要があります。
ですが、もともと園とあなたは合っていないので、大変さや辛さがなくならず耐えるのも難しくなってきます。
さらに、もう転職も何回かしているので、すでに転職へのハードルは下がっています。
そうすると、「ちょっとしたことでも嫌になり、また転職したくなる」といった悪循環におちいってしまうんです。
このように、転職を繰り返し転職回数を増やしてしまうと、あなた自身の価値を下げてしまい、あなたの理想とする職場に転職しにくくなってしまうんです。
給料がいつまでたっても安い
他にも、「転職回数が多いと、給料が上がりにくくなる」ということがあります。
なぜなら、昇給する前に別の園に転職してしまうからです。
転職すれば、始めは安い給料から始まる園がほとんどです。
もちろん、求人票に、「経験者加算あり」と書いてある園もあります。
ですが、経験者加算がどれだけ給料に反映されるかは、ふたを開けてみなければわかりません。
いくらあなたが、「保育士としての経験が〇年あるから、その分給料に加算してほしい」と言っても、園があなたの経験を加算に値するものだと判断しなければ、それは無意味なんです。
退職金も、「〇年以上勤めないと出ない」というように園ごとに就業規定があります。
たとえば、ある園で、「3年勤めないと退職金は出ない」というような規定だとします。
すると、転職回数が多くいつも1~2年で辞めてしまっている保育士の場合、勤務年数が短いため退職金がもらえません。
保育スキルが積みあがらない
さらに、転職回数が多いということは、一つの園の勤務年数が短く、そのため保育スキルが積みあがりにくいです。
保育方針や保育のやり方は園によってさまざまで、それをきちんと身につけるためには、それなりの年数が必要です。
たとえば、その園の保育士として十分な戦力になるには、各年齢のクラス担任をすべて経験することが望ましいです。
ただし、0歳児~5歳児まで各クラスを担任するとなったら6年はかかります。
ですが、1年や1年未満で転職を繰り返しているのでは、経験が積みあがりにくく十分な保育スキルが身につきません。
その状態で応募園にアピールしても、園としてはあなたを採用したい人物とは思いにくいです。
もうこれ以上転職を繰り返さない!転職活動の3つの注意点
「転職回数が多い」かどうかは、あなたの保育士歴の長さとも関係してきます。
また、園によっても受け止め方は違うため、一概に不利と決めつけることはできません。
ですが、一般的には、転職回数はできるだけ少ないのに越したことはないんです。
あなたもきっと、「次の転職で最後にしたい!」「今度こそ自分に合った園でじっくりと働きたい」と思っているのではないでしょうか。
そこで最後に、「もうこれ以上転職を繰り返さないための、転職活動の3つの注意点」をお伝えしますね。
それは、
- 園選びは慎重に! 適当に選ぶのはNG!
- 粘り強く求人を探そう
- 希望の条件が100%通るのは難しいと心得ておく
の3つになります。では、詳しく解説しますね。
園選びは慎重に! 適当に選ぶのはNG!
まず一つ目の注意点は、「園選びは慎重にするべし!適当に選ぶのはNG!」ということです。
もし、これまでの園選びが、「何となくいいかな、と思ったから」「どの園もよさそうだからどこでもいいと思って」といったものであれば要注意です。
なぜなら、次こそはあなたに合う園をしっかりと選んで腰を落ち着けて働かないと、さらに転職回数が増えてしまうからです。
よく検討せずに園を選ぶと、働き始めてから、「あれ?思っていたのとなんか違う」と違和感を持つことになります。
そして、「園の保育方針が自分の保育観と合わない」「こんなに行事がある園だとは思わなかった」など、園の不満へと膨らんでいきます。
そんな違和感が大きな不満やストレスにふくれ上がっていくと、また転職したくなってしまいます。
これが転職の繰り返しにつながっていくんですね。
だからこそ、園選びは本当は慎重にしなければならないんです。求人票を冷静な目でチェックし、ホームページもすみずみまで読みこまなければなりません。
しかも、あなたの、「これだけは譲れない条件」や、「少しは譲ってもいい条件」など優先順位をはっきりとさせた上で丁寧に検討することが必要です。
「転職は、次の園でもう最後にしよう!」というくらいの気持ちで、真剣にそして慎重に園を選びましょうね。
粘り強く求人を探す
2つ目の注意点は、「粘り強く求人を探す」ということです。
なぜなら、明らかに希望の条件とは違う園なのに妥協して応募すると、またミスマッチな職場で働くことになってしまうからです。
一つ目の注意点と同じく、あなたと合わない園で働くことで、再び転職したくなる可能性が高まってしまうんです。
「求人を探していても、なかなか自分の希望に合う園が見つからない」ということがあるかと思います。
ですが、現在も、保育士不足は叫ばれていますし、待機児童問題を解消するために、保育園はどんどん新設されている最中です。
なので、求人はこれからも出てきます。焦らずに、あなたの条件と照らし合わせて粘り強く探しましょう。
どうしてもうまく探せない時は、保育士転職サイトに相談してみるのもよいでしょう。
保育士転職サイトには好条件の非公開求人を多く持っているところがあります。
そのような求人を紹介してもらえれば、あなたに合う園の求人が見つかる可能性が広がると思いますよ。
希望の条件が100%通るのは難しいと心得ておく
3つ目の注意点は、「希望の条件が100%通るのは難しいと心得ておく」ということです。
「次こそは自分に合った園で長く働きたい」という思いはわかります。転職回数をこれ以上増やしたくないあなたが、そう思う気持ちもわかります。
ですが、あなたの希望の条件をすべて備えるような理想の園はめったにありません。
あまりにも条件にこだわってしまうと、求人を探していてもなかなか満足するものが見つからず、転職活動が止まってしまいます。
もちろん、譲れない条件にある程度はこだわったとしても、その他いくつかの条件には、残念ですが目をつむることが出てくると思います。
つまり、希望の条件は優先順位をつけたり、いくつかだけに絞ったりする必要があることを理解しておいてくださいね。
「最も大切な条件が通っていればそれで良し」とする気持ちを持つことで、選べる園が増えてきますよ。
それは、転職して新しい職場で働き始めた時も同じです。すべてがあなたの思い通りにいく職場はありません。
何かしら、嫌なことや納得いかないことは出てきます。
そんなとき、その嫌な部分だけに注目してしまうと園のすべてが嫌になってしまいます。
そうすると、「また転職すればいいや」と逃げたくなる気持ちになります。
何回か転職をしていると、その辺のハードルは下がりがちです。
そのため、転職を繰り返してしまう方も多いんです。
なので、園の嫌なところだけを見るのではなく、良いところも探してみてください。それを支えにしてもう少しがんばることができたら、いつか状況が変わるかもしれません。
そして、あなたの気持ちが落ち着く時がくるかもしれませんよ。
まとめ
実は、私自身は2回転職しています。
結果的には良い職場に恵まれ、保育士としてのキャリアにつながり、それ以上転職を繰り返すことはなかったので、よかったと思っています。
でも、今振り返ってみると、その時々の気持ちだけで転職していたのは反省すべき点で、もし自分と合わない職場だったら、もっと転職を繰り返してしまったかもしれません。
なので、あなたは軽い気持ちや今の職場から逃げたい気持ちだけで転職するのではなく、目的意識を持って、冷静に状況を見極めたうえで行動しましょうね。
もし、転職に踏み切る場合は、これ以上転職回数を増やさないためにも、後悔のないように園を選んでくださいね。
また、「面接で転職回数が多いことを指摘されたり、その理由を聞かれたりしたらどうしよう」と思う方もいますよね。
そんな方は、【例文10個】転職回数が多い保育士が面接で失敗しない答え方はコレ!の記事を参考にしてくださいね。
または、保育士の転職のプロに相談すると、転職回数が多いことをどう答えたらいいか、具体的なアドバイスをもらえますし、あなたに合った求人も紹介してもらえますよ。
悩みは抱え込まず、広く意見を聞きながら解決していくのが得策です。
次の園があなたの満足のいく、最後の職場になることを祈っています。