こんにちは! キャリア30年現役保育士はなえみです。
保育士の仕事ってハードだと言われますが、本当にそうですよね。
体力的にもハードだし、精神的にもキツイ。
「あー、今日も疲れたな~」とか何とか言いながら、今まで頑張って働いていたけど、最近はもうその疲れがなかなか取れない。
たとえば、
- 「毎日体力を使い果たして、もうヘトヘト…」
- 「体はともかく、この精神的な疲れがつらい…」
- 「もう、保育士でいること自体に疲れた…」
なんて、思っていませんか?
この記事では、ハードな仕事で心身の疲れがたまりにたまっている保育士の方に向けて、「“もう保育士やるの疲れた…”と思う時とは?」「仕事がつらい状況を変える6つの方法」について解説します。
あなたの疲れの原因がわかると、対処法も見えてきます。疲れをためない6つの方法も参考にしてみてくださいね。
目次
「もう保育士やるの疲れた…」と思う時とは?
はじめに、「もう保育士やるの疲れた…」と思ってしまう時って、どんな時なんでしょうか。
それは、以下のようではないかと思います。
- 子どもの安全を守る緊張感で疲れる
- 人間関係に気を遣って疲れる
- 行事の準備に追われて疲れる
- 日々の保育で体力を消耗し疲れる
- 保育スキル不足で子どもをまとめられず疲れる
- 残業や休日出勤、持ち帰り仕事などで疲れる
- 苦労しても給料に反映されなくて疲れる
では一つずつ詳しく見ていきましょうね。
子どもの安全を守る緊張感で疲れる
一つ目は、「子どもの安全を守る緊張感で疲れる」ということです。
なぜなら、子どもはちょっと保育士が目を離したスキに危ないことをしたり、ケンカしたり、噛みついたり、引っかいたりなどケガにつながることをしてしまうため、目が離せないからです。
もし、運悪く保育士が見ていないところで、ケガがあったらもう大変です。
園長や主任から、「なんで見ていなかったの?」「見ていなかったなんて保護者には言えないのよ!」と責められてしまいます。
確かに、保護者の中には子どものほんの小さなけがに対しても、ものすごく追及してくる人もいるため、園長や主任はナーバスになりがちです。
だから、保育士たちにもかなりしつこく、「ケガはさせないようにね!!」と注意してくるんですね。
私が、2歳児クラスを持っていた時も、なぜかいつもAくんに噛みついてしまうBくんがいて、クラスでは二人が近づかないように細心の注意を払って見ていました。
AくんとBくんの保護者同士の関係も最悪だったので、「もうこれ以上は絶対に噛みつきをさせてはダメ!」と担任一同共通認識を持って、厳戒態勢を敷いて保育に当たっていたんですね。
その1年間が終わるまで、本当に毎日が緊張の連続で、精神的にヘトヘトになっていましたね。
もちろん、ケガだけではなく、地震や火事などの災害時にもしっかりと安全管理をしなければなりません。
東日本大震災の時も、保護者がその日のうちにお迎えに来られない子が数名いたので、保育士は泊りでその子の面倒を見ていました。
やはり、保育士の仕事の基本は、「預かった時と同じ状態で、無事に子どもを保護者の方に返す」ということです。
なので、災害時には、冷静かつベストな判断をして、子どもたちの命を守らなくてはならないんです。
私は今も、休みの日に地震があると、「あー、保育園じゃなくてよかった~」とホッとしますね。
つまり、保育士というのは子どもたちの命を預かる仕事。
そこでの緊張感はある程度必要なものですが、あまりにも度を超すと、保育士をとても疲れさせてしまいます。
人間関係に気を遣って疲れる
2つ目は、「人間関係に気を遣って疲れる」というものです。
保育園は今も女性職場ですからね。どうしてもドロドロとした人間関係が渦巻きやすいんですよ。
たとえば、ベテランの先輩保育士のダメ出しがキビシイとか、好き嫌いが激しくて、気に入らない保育士にはつらく当たるとか、ベテラン保育士同士の派閥争いがあって、悪口や陰口があちこちから聞こえてくる、などですね。
そういった人間関係の中にいるって、それだけで神経をすり減らします。
もちろん、どんなところにも気難しい人や、一緒に仕事しづらい人っていると思いますが、それがクラス担任として一緒に組んだ場合はかなりつらいですよね。
だって、毎日その人と顔を合わせるのはもちろん、ずーっと一緒に行動し、話しもしながら保育しなくちゃならないんですから。
そして、それが少なくとも1年間は続くんですからね。
さらに、性格にクセがあって、扱いにくく嫌われてしまう園長っていますよね。
やたらクラスに来て、自分の思い通りにしようと指図する小うるさい園長もいれば、問題が起こっても保育士を責めるばかりで何もフォローしてくれない園長とか。
園長としての役割を果たしてほしいけど、どう見てもそんな器ではなく、自分の保身ばかりで保育士たちの負担を増やしていることもあります。
園をまとめて引っ張っていく立場の園長がこんな感じだと、「なんで私たちがこんなに苦労しなくちゃいけないのか」と思って、とても尊敬なんてできません。
それから、保護者との関係でも気を遣いますよね。
特に、細かいことを気にする難しい保護者って、必ず園に何人かはいて、そこでの対応を一歩間違えばクレームになってしまうんですよね。
もちろん、常識的な保護者の方が大半ですが、だからといって気を抜くことは許されず、言葉や態度一つとっても、気を遣いながら受け入れしたり引き渡しをしています。
とにかく、保育園での人間関係は、常に気を抜くことができないのでとっても疲れるんです。
行事の準備に追われて疲れる
3つ目は、「行事の準備に追われて疲れる」ということです。
特に、運動会や発表会といった行事は1年間の中でもメインイベントなので、成果もそれなりのものを求められます。
そうすると、生半可なことはできないと思い、保育士はあれこれとアイデアを出して凝りだしてしまうので、そうすると準備することが増えてしまいます。
行事はその日1日だけなんですが、その日のために何か月も前から考えて作って準備しなくてはならないんです。
1年間を通して、行事が月に1回はあるような園だと、行事が終わったらすぐ次の行事の準備をしなければならず、もっと言うと、2つの行事の準備を同時に進めていることだってあります。
「行事に追われる」とはこのことで、何もない普段ののんびりした保育をしたいと思っても、そんな日々はありません。
行事のためだけに保育しているのかと思うと、ドッと疲れが出てしまいますよね。
動き回って体力を消耗し疲れる
4つ目は、「動き回って体力を消耗し疲れる」ということです。
とにかく、保育士というのは、朝から晩まで子どもたちに囲まれて目まぐるしく動いているからです。
午前中、散歩に出かければ、子どもたちと一緒に歩きどおしです。
乳児の場合はおんぶしながら歩いたり、重たい散歩車を押しながら坂道を上がったり。
園庭で遊ぶ時も、鬼ごっこをする子どもたちと一緒になって走ったり、ふいに元気よく後ろからタックルされたり。
給食は子どもたちと一緒に食べますが、食事の介助をしながらなのでそうそう味わってはいられません。
食べるとすぐにトイレに行きたくなる子もいるので、そうすると食事の途中でうんちを拭きに行くのも当たり前ですよね。
食事が終わると、すぐに食器を片付け部屋を掃除しなくてはならず、ゆっくり食休みなんてあり得ない。
組んでいる保育士がお休みを取っているときなんか、保育室を離れられずトイレにも行けませんしね。
お昼寝の時間には、日誌や連絡帳を書いて、昼の打ち合わせに参加し、担任同士でもあれこれと話したり、活動の片づけや準備をしなくてはならず、あっという間にお昼寝の時間は終了です。
定時になっても、そこから残業や職員会議、時には研修をすることもあります。
いやー、本当に保育士って少しもじっとしてないですし、力仕事は多いですし、定時では帰れないし、体力を消耗することが多くて本当に疲れるんですよね。
保育スキル不足で子どもたちをまとめられず疲れる
5つ目は、「保育スキル不足で子どもたちをまとめられず疲れる」ということです。
子どもたちをうまくまとめて動かしていけないと、保育士は大声を出すばかりになって、よけいに子どもたちは落ち着かなくなってしまいます。
子どもたちも、担任が慌てていたり自信がなさそうにしてたりすると、それを察知し調子に乗って好き勝手なことをし始めちゃうんですよね。
本当は、そんなときも冷静になって、子どもたちの気を引く手遊びとかクイズとか、お話しなんかができるといいのですが、その時には頭が真っ白になってしまいます。
特に、発達障害の子どもの場合は、その子の特性をつかんで適切に対応しないと集団に入るのは難しいです。
これには、経験や勉強も必要になってくるので、よけいに難しさを感じてしまうことが多いんです。
こんなふうに、子どもにうまく対応できる力がないことを思い知らされるとき、ドッと疲れを感じてしまいます。
残業や休日出勤、持ち帰り仕事で疲れる
6つ目は、「残業や休日出勤、持ち帰り仕事で疲れる」ですね。
保育園は本当に業務がたくさんあって、子どもがいる間はもちろん、帰ってからもまだまだ仕事があります。
定時で帰れるなんてめずらしい方で、毎日残業していることがほとんどでしょう。
残業しても仕事が終わらないと、家に持ち帰って作業することだってあります。
休日も、園長や主任から急に呼び出されて出勤することになってしまい、7連勤、8連勤なんてことも。
そうなると、園でも仕事、家でも仕事、休日も仕事…と言った感じで、仕事から離れられなくなってしまいます。
それは物理的なことだけではなく、精神的にもそうなってしまって、休日なのにいつも仕事のことが頭から離れないなんてことになってしまうんです。
これでは、せっかくプライベートの時間ができたとしても、心から楽しめません。
そんなゆとりのない日々を送っていると、保育士をすること自体に疲れを感じてしまうのも無理はありません。
苦労しても給料に反映されなくて疲れる
7つ目は、「これだけ苦労していても給料に反映されなくて疲れる」ということですね。
これは、「保育士の仕事へのモチベーションが保てないことからくる疲れ」と言っていいでしょう。
もちろん、「子どもたちが可愛いから」「保護者から感謝してもらえるから」といったことはやりがいにはなりますが、保育士の仕事はボランティアではありません。
キチンと労働に対する対価をもらう権利があります。
ですが、これだけの激務であるのに対してお給料が安いと嘆く保育士の方は多いです。
こちらは、平成30年度東京都保育士実態調査結果の概要の中にある、「保育士の職場への改善希望事項」のグラフです。
「給料、賞与等の改善」は第1位で、全体の65.7%となっています。
それぐらい、お給料に不満を持っている保育士は多いんです。
日々の過重労働で疲れているうえに、お給料が少ないことでさらに疲れを感じてしまうんですね。
仕事がつらい状況を変える、疲れをためない5つの方法とは?
それでは、今のつらい状況をいくらかでも良くするために、保育士の方が疲れをためないようにする方法を紹介していきますね。
それは、
- 完璧主義を捨てる
- 仕事の優先順位をつける
- マイペースでいく
- 気の合う仲間とグチ大会
- 隙間時間でリフレッシュする
といった5つの方法です。
完璧主義を捨てる
まず、1つ目は、「完璧主義を捨てる」ということです。
なぜなら、何でもちゃんとやろう、完璧にやろうと思えば思うほど仕事のハードルが高くなって、その分達成しずらくなってしまうからです。
達成できないということは、いつも自分の仕事の成果に満足できないので、「まだできてない」「これじゃダメだ」と自分のマイナス面ばかりに目が行ってしまいます。
それで疲れてしまうんですね。
もちろん、ちゃんとやろうとする心構えはとても素晴らしいことです。
ですが、あまりにも完璧を求めてしまうと、ジレンマが募って心が疲れてしまいます。
なので、もう完璧主義は捨てて、「まあ、いいか」の精神でいきましょう。
がんばっている自分を認めてほめてあげましょうね。
それで少しは気持ちが楽になるし、仕事量が減ることもあるかもしれません。
仕事の優先順位をつける
2つ目は、「仕事の優先順位をつける」ということです。
保育士の仕事は、その時の特別な仕事や、毎日の仕事、先を考えて今からやらなくてはならないこと、たくさんありますが、「全部大事だし、全部今やらなくちゃ」と思ってしまうと、とてもじゃないけどやり切れません。
もちろん、「どれも後回しにはできないよ!」という仕事ばかりかもしれませんが、ちょっとでも待てる仕事であれば、それは後回しにしましょう。
そして、「週に1日だけは定時で帰る!」と心に決めて、早く帰るようにしてみましょう。
それで少しでもゆっくりとする時間を作って疲れを取りましょう。
仕事を効率化しマイペースでいく
3つ目は、「仕事を効率化し、マイペースでいく」ということです。
これは、もう一度仕事を見直して、「無駄なことはやめたり、もっと楽で簡単な方法に変えたりする」ということです。
つまり、「自分のペースで疲れずにできるように変えていきましょう」ということです。
たとえば、「壁面装飾は保育士が作らないで、子どもの作品を飾るようにする」「月案を作るときは、昨年度の月案を利用したり、保育書籍のテンプレートを使って考える時間を減らす」などですね。
これまで、当たり前にやっていると気づきにくいですが、改めて見直すと、「これって必要?」と思うことがあるかもしれませんよ。
もし、クラス担任の采配で効率化していい内容であれば、ぜひチャレンジしてみてください。
ただ、ちょっと変わったことをすると、「先生、何やってるの?」なんていぶかしげに見られたりするかもしれませんが、そこはマイペースで気にしないで行きましょう。
あなたが少しでも効率的に仕事をしていくためなんですから、全く悪いことじゃありません。
ただ、中には園の保育方針によって、自分で勝手に変えられず、どうしてもやらなければならないこともあると思います。
そういう場合は、同僚などに相談してみてあなたと同じように思う人がいたら、一緒に職員会議で仕事の効率化を提案してみるのも一つの方法ではないでしょうか。
気の合う仲間とグチ大会
4つ目は、「気の合う職場仲間とグチ大会」です。
つまり、仕事のグチや不平、不満を気の合う職場仲間とワイワイ話しながら発散して、疲れを吹き飛ばそう、ということです。
これは、もうすでにやっている人がいるかもしれませんね。
ただ、中には、職場に話せる人がいなくてモンモンとしている保育士の方もいるでしょう。
そんな時は、保育園以外の友だちでも、家族でもいいので、話を聞いてもらってください。
人に話すことで、結構気持ちが軽くなって、「あー、すっきりした!」なんて思えたら、ちょっぴり疲れがとれたかも。
それに、客観的な意見やアドバイスがもらえたら、気の持ちようが変わったり、解決策が見えてきたりするかもしれませんよね。
隙間時間にリフレッシュする
5つ目は、「隙間時間にリフレッシュする」です。
「毎日が残業で忙しくて、休日も趣味のためのまとまった時間が取れない」というのであれば、「何かしながら好きなことを同時にする」とか、「隙間時間にできる好きなことを考える」というのはどうでしょうか。
「お風呂に入りながらユーチューブを見る」とか、「家事をしながら好きなアーティストの曲を聞く」とか、「週に1回だけ、高級スイーツを買って食べる」とかですかね。
なかなか隙間時間を見つけるのは難しいかもしれませんが、仕事ばっかりに気を取られていては、プライベートを楽しむ時間がないですよね。
どこかに時間を見つけて、何かしら好きなことでリフレッシュし、疲れを取るようにしてみてくださいね。
それでもムリなら別の園に転職する
そして、最後の手段としては、「それでもムリなら別の園に転職する」ですね。
上の5つの方法をやってみて状況がよくなれば幸いですが、どうしても限界があるからです。
たとえば、
- 「自分で仕事を効率化したくて提案しても、園長が許してくれない」
- 「完璧主義をやめたら、“仕事の手を抜いてない?”と先輩に言われてしまった」
とかですね。
それに、自分なりに努力してみても、やっぱり仕事の量は減らないし、気の持ちようも変わらないし、リフレッシュも全然できない、といった方もいるでしょう。
ここまでくると、「保育士をやること自体に疲れた…」と思ってしまいますよね。
そうであれば、他の園に転職するのが1番いいと思います。
「いや、保育士自体がもうムリ…」と思っているのかもしれませんが、保育園はもっと他にもたくさんあって、働きやすい園だってあるんですよ。
たとえば、大規模園や小規模園、企業内保育、院内保育など、園の種類によって規模や業務が違いますし、人間関係だって変わってきます。
なので、今働いている園がタイヘンだからといって、すべての保育園がそうだと決めつけないでくださいね。
たとえば、保育士転職サイトにはたくさんの園の求人があるんですが、それを見てみると、本当に園によって保育方針も、保育環境も、待遇も違うことがわかります。
そうすることで、追い詰められて疲れてしまった気持ちが、少しはゆるんで視野も広がるかもしれませんよ。
疲れるけど保育士はやっぱりやりがいがある
確かに、保育園の業務はハードです。疲れます。
でも、やりがいもたーくさんあるんですよね。
子どもたちは可愛いし面白いし、保護者の中には保育士を頼りにしてくれて感謝してくれる人もたくさんいます。
何より、子どもたちと一緒にいると、「自分自身も一緒に成長できる」っていうのがいいな、と私は思うんです。
保育士は、今の時代とても貴重な存在です。せっかく保育士として歩んでいるんですから、環境を変えてぜひ続けてみてはどうでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
「保育士の仕事に疲れてしまった…」という時には、ぜひこの記事で解説した5つの方法を試してみてくださいね。
ただ、「そんなことしても、何も変わらないよ」「そんなことできる状況じゃない!」っていう人もいますよね。
その場合は、「別の園に転職する」という方法をおススメします。
なぜなら、別の園であれば、ガラッと職場環境や労働環境が変わる可能性があるからです。
まあ、転職するしないは置いといて、どんな園があるのか、保育士転職サイトのキャリアコンサルタントに聞いてみたらいいと思いますよ。
せっかく保育士になったのですから、ぜひその志は捨てないで続けてほしいんですよね。
だって、やっぱり保育士という仕事は、子どもたちの成長とともに自分も成長できる素晴らしい仕事だからです。
確かに疲れちゃうこともあるけど、環境が変われば、あきらめないですむかもしれませんよ。応援しています!