「院内保育所」ってご存知ですか?
「少人数の子どもをゆったり保育できる」「大きな行事が少ない」などの特徴があり、転職を考えている保育士からは、大きな注目を浴びているんですね。
だけど中には、
- 「院内保育所って実際はどんな保育所なの?」
- 「普通の保育園とはどう違うの?」
- 「夜勤があるって聞いたけど、きつくないのかな?」
なんて疑問を持つ方も多いはず。
今回は、院内保育所のことをもっとよく知りたい保育士の方に向けて、
- 院内保育所の特徴
- 院内保育所での働き方
- 院内保育所に転職するときのメリット、デメリット
についてお伝えします。
- 記事の信頼性
- 私自身、保育士歴30年の現役保育士です
- 保育士転職サイトのコンサルタントから、院内保育の情報を教えてもらいました
院内保育所には、「夜勤」という独特の勤務体制があって、それがあなたに合うかどうかがポイント。
そのあたりをよく理解した上で、転職先の候補に入れてくださいね。
目次
院内保育所とは?
院内保育所とは、「病院が、働く医師や看護師の子どもを預かるために、病院内やその近くに設けた保育所」のことです。
院内保育所は、24時間、365日体制で働く医師や看護師のために、一般の保育園にはない保育サービスを行っているんです。
病院で働く医師や看護師の勤務体系は、シフト制をとり、夜勤がある場合がほとんどです。
なので、子育て世代の医師や看護師が仕事を続けるためには、シフトや夜勤に合わせて子どもを預けなければなりませんよね。
しかし、一般の保育園ではそのような幅広い受け入れ態勢を取っていません。
その点、院内保育所は24時間、365日開所しており、医師や看護師の勤務に合わせて柔軟に子どもを預かることができるんです。
病院側にしてみると、院内保育所があれば、育児のために優秀な医師や看護師が退職してしまうことを避けられます。
また、医師や看護師にとっても、院内保育所に子どもを預けながら働けると、キャリアが中断せずに済むのでとても助かるんですよね。
このように、両者のメリットを満たす役割を果たしてくれるのが院内保育所なんです。
さらに言うと、院内保育所は、病院の中や近隣に保育施設があるので、保護者は送迎時間の短縮ができます。
中には職員のリフレッシュのため、非勤務の日でも子どもを預かってくれる院内保育所もあります。
このような支援は、毎日仕事と子育てで忙しくしている職員にとって、とてもありがたいことです。
さらに、院内保育所の保育士と保護者と保育士は、「同じ病院の職員同士」という関係にあるので、互いの仕事の内容や大変さがわかります。
そのため、共感関係を作ることができ、保護者は一般の保育園よりも信頼して子どもを預けられるんです。
このように、院内保育所は、「病院の人手を確保し、利益を守る」「働く医師や看護師の育児と仕事の両立を支援する」という大切な役割を担っているんですね。
院内保育所の設置、運営の仕方
では、院内保育所の設置運営の仕方とは、どのようなものなのでしょうか。
院内保育所は、企業が従業員のために設ける「事業所内保育所」の一種なんですね。
そして、「認可外保育所」に含まれることが多いです。
なので、その場合の設置基準は、認可外保育所の内容と同じです。
院内保育所を設置、運営する方法には、病院が直接施設を運営する「直接運営」と、保育業者に委託する「委託運営」があります。
委託運営には、「保育士の採用や教育を行ってくれる」「保育のプロによる確かな事業運営をしてもらえる」という利点があります。
なので、病院の多くは、「委託運営型」をとっています。
院内保育所によっては利用児を安定的に集めるため、医師や看護師の子どもだけでなく、近隣地域の子どもを一緒に預かる場合があります。
院内保育所の4つの特徴
続いて、院内保育所の特徴4つを詳しく見ていきましょう。
- 少人数の乳児保育をしている
- 24時間、365日年中無休で開所している
- 預かる子どもの顔ぶれが日によって違う
- 「院内保育所」と「病児保育」「病後児保育」は違う
少人数の乳児保育をしている
院内保育所は、少人数の乳児保育をしていることが比較的多いです。
もちろん、預かる年齢は0歳児~5歳児までの子どもだけでなく、小学校低学年の子どもを受け入れている場合もあり、その対象児の年齢は施設によって違うんですよね。
また、定員は5~6名程度のとても小さい施設から、一般の保育園に近い数十名という施設もあります。
しかし、実際に院内保育所の求人を見ていると、0歳児~2歳児までの少人数(約5名~19名くらい)の乳児を預かる施設が多いですね。
もちろん、個々の施設の子どもの対象年齢や定員は違いますが、ほとんどの院内保育所は、「少人数の乳児を保育している施設」といえますね。
中には、歴史が長く規模の大きい院内保育所もあり、その場合、少人数の院内保育所とは様子が違ってくるので、施設ごとに特徴を確認する必要がありますね。
24時間、365日年中無休で開所している
院内保育所は、24時間、365日無休で開所している場合が多いです。
なぜなら、病院で働く医師や看護師の子どもを預かる施設だからです。
つまり、病院の営業時間や、医師や看護師の夜勤、休日出勤などに合わせて開所しているということです。
もちろん、日曜や祭日が休診の病院であれば、それらの日は院内保育所もお休みです。
しかし、入院設備のある病院であれば、医師や看護師は24時間365日、シフトによって勤務しています。
なので、その場合は院内保育所も1年中オープンしているんですね。
預かる子どもの顔ぶれが日によって違う
院内保育所では、保護者である医師や看護師の勤務シフトにより、子どもの登所、降所の時間が違います。
また、毎日同じ子どもが来るわけではなく、その日によって預かる子どもの顔ぶれが変わるんです。
たとえば、3歳以上の幼児の場合、月~金曜日は認可保育園に通っていて、保護者に土日や夜間の勤務があるときだけ、院内保育所で預かる場合があります。
また、「子どもが夏休みの時」「保護者が夜勤で面倒を見られない時」などに、小学校低学年の子を預かることがあるんですね。
「院内保育所」と「病児保育」「病後児保育」は違う
「病院」というキーワードが共通するため、「院内保育所」のことを、「病児保育」や「病後児保育」と混同してしまう方がいるかもしれません。
しかし、これらは別のものなんですよ。
病児保育や病後児保育とは、「保護者が勤務などの都合により、病気の子どもの保育ができない場合に、病院や保育所の専用スペースで、看護師や保育士が替わって保育すること」であり、両者のベースは同じです。
ですが、保育する子どもの病状に違いがあって、それは、
- 病児保育 → 「子どもの病気は回復期ではなく、症状の急変がない」という子どもを保育する
- 病後児保育 → 「子どもの病気は回復期であるが、まだ集団保育には適さない症状」にある子どもを保育する
ということなんですね。
院内保育所は、病院内に設置されていても病気の子どもを預かる施設ではないです。
あくまでも、病院内で働く医師や看護師の子どもで、健康状態に問題がない子どもを預かる施設なので、その違いは知っておいてくださいね。
保育士が院内保育所に転職する9つのメリット
以上のように、院内保育所には一般の保育園とは違う特徴があることが、おわかりいただけたかと思います。
ここからは、「保育士が院内保育所に転職するときのメリット」について解説しますね。
それは以下の9つですね。
- 子どもとゆったり関わることができ、職員関係もアットホーム
- 異年齢児の混合保育が経験できる
- 大きな行事や書類仕事が少ないため、残業や持ち帰り仕事が少ない
- 子どもが発熱やケガをした時に、医療の速やかな対応ができる
- 非常時に保護者が早く迎えに来られる
- 大病院や大手の委託会社であれば給料が良い
- 昼間の時間や平日の休みを有効活用できる
- 夜勤の勤務内容は、それほど難しくない
- いろいろな雇用形態で働けて、実務経験のある保育士が有利
子どもとゆったり関わることができ、職員関係もアットホーム
院内保育所は、「少人数の乳児(0~2歳児)保育」の場合が多いので、保護者参加の大きな行事がなく、毎日ゆとりを持って保育できます。
保育士は、季節ごとの小さな行事を子どもが楽しめるように工夫し、子ども一人ひとりにゆったりと関わりながら成長を促すことができるんです。
また、保育士数が少ないので人間関係が複雑にならずにすみます。
お互いに親しむのに時間がかからず、和気あいあいと仕事がしやすく、子どもも保育士も、アットホームな環境で過ごすことができますね。
異年齢児の混合保育が経験できる
院内保育所の保育形態は、異年齢児の混合保育となることが多いです。
通常の保育園では、年齢ごとにクラスを分けてクラス別保育をするところが多く、異年齢児の混合保育をする園は少ないですよね。
なので、異年齢児保育を経験したい保育士の方には、適していますね。
大きな行事や書類仕事が少なく、残業や持ち帰り仕事も少ない
施設にもよるんですが、小規模の院内保育所では、毎月の指導計画や週案などの書類をそれほどきっちり作らなくてもいい場合があるんです。
さらに、運動会などの行事がないので、そのための準備がありません。
なので、そういった仕事が終わらないために残業したり、家に持ち帰ったりすることも少ないですね。
何より、大きな行事に取り組む時に感じるプレッシャーや焦りがないので、保育士には精神的な負担がかからないのはいいですね。
その分、余裕を持って一人ひとりの子どもを丁寧に見てあげられるので、満足のいく保育ができますよ。
子どもの発熱やケガの時に、医療の対応がしやすい
院内保育所は病院内にある施設なので、もし保育中に子どもの発熱やケガがあっても、医師や看護師が速やかに対応してくれます。
一般の保育園であれば、具合の悪い子どもがいたら、事務所で主任などが様子を見ていたり、症状が悪化してきたら近くの病院に連れて行ったりしていますよね。
でもこういったときの状況判断って、看護師でも医者でもない保育士には、なかなか難しいこともあります。
それに、院内保育所のように病院と保育園がつながっているわけではないので、いくらスピーディーに対応しようとしても限界がありますよね。
なので、院内保育所のように、いつでも子どもを診てもらえる医療態勢が近くにあるというのは、保育士にとってはとても心強いです。
非常時に保護者が早く迎えに来られる
もう一つ心強いことは、「保護者が同じ院内で働いているため、非常時のお迎えが早く連携がとりやすい」ということです。
院内保育所は、保護者である医師や看護師の職場内にあるため、子どもに何かあった時にすぐにお迎えに来てもらいやすいんですよね。
また、保育士と保護者の間でのコミュニケーションがとりやすい雰囲気があります。
なぜなら、「同じ院内で働く者同士」ということで、お互いの仕事について理解しやすく思いやりが持てるので、信頼関係が作りやすいんです。
大病院や大手の委託会社であれば給料が良い
たとえば、大病院や大手の委託会社が運営している院内保育所であれば、給料がいい場合があるんです。
院内保育所の求人を見てみると、給料が17万円以下の施設もありますが、20万円前後の比較的高い額が提示されている施設もあります。
たとえば、下記の病院の院内保育室は、月給が23万円となっており高い方の水準となっていますよね。
夜勤があれば、これに夜勤手当がつきます。もちろん施設によって額は違いますが、夜勤1回につき5~6千円程度つくことがあるようです。
それが月に何回あるかで加算額は変わりますが、その分お給料アップが望めますね。
昼間の時間や平日の休みを有効活用できる
院内保育所で働くと、休日が平日になることがあり、昼間の時間を有効活用できます。
たとえば、入院施設のある病院の医師や看護師は、24時間、365日のシフトで勤務をしています。
なので、院内保育所の保育士も早番、遅番のあるシフト制で働くことになります。
シフト数は施設によって異なります。
下の院内保育所の求人も、「勤務日は月曜日~日曜日まで」「24時間開所」とあり、「夜勤が週に1回はある」と書いてありますね。
夜勤の場合は、就業時間が「夕方4:00~朝9:00まで」などとなっている場合が多いです。
すると、夜勤に入る日の朝から夕方4:00までと、夜勤明けの9:00以降の丸1日は自分の自由な時間になるんです。
さらに、夜勤明けの翌日は丸1日休みになることがほとんどなので、夜勤明けの当日とその翌日を含めると、2日続けて休日になるんですね。
さらに、シフト制の勤務は、休みが不定期です。
土日祝日に休める時もあれば、平日が休みになる時もあります。
なので、休みの曜日にこだわらない方や、平日に休みがほしい方には適していますね。
夜勤の勤務内容は、それほど難しくない
院内保育所の夜勤の勤務内容は、それほど難しい知識や技術は必要ないです。
もちろん、きちんと子どもたちを見守るなど責任を持って保育することは必要ですよ。
でも、日中のような集団活動はなく、一人ひとりがゆったりと過ごすことに重点を置けばよいので、難しくはないんですよね。
夜勤は、「1時間の休憩と2時間の仮眠を含めた、16~18時間程度」という設定が多いです。
そして主な勤務内容は、「夕食の提供と介助」「自由遊びの見守り」「寝かしつけ」「寝ている子どもを見守る」「起床させ、朝食の提供と介助をする」などです。
日中よりは、夜間の方が預かる子どもの数が少ないので、集団保育というよりは家庭的な雰囲気の中で過ごすことになりますね。
保育士は、「就寝の支度を促し、静かに遊んで過ごす」「安心して眠れるように付き添う」などの勤務に当たります。
さらに子どもの就寝中は、書類仕事や雑用などをしながら、定期的に子どもの様子をチェックします。
夜泣きをする子や目覚めてしまう子がいればその都度面倒を見ますが、ぐっすりと一晩中眠っていれば、特に手はかからないです。
このように、夜勤は特に難しい保育スキルは必要ないので、ほとんどの保育士が普通に対応できるはずですよ。
いろいろな雇用形態で働けて、実務経験のある保育士が有利
院内保育所の雇用形態は、正社員だけでなく、パート、派遣などさまざまです。
なので、転職をしたい場合、自分の生活スタイルに合った雇用形態を選びやすいんです。
また、実際に求人を見てみると、「保育士有資格者」で「経験者歓迎」としている施設が多いです。
なので、新卒者よりは、転職組やブランク保育士にとって有利でしょう。
もちろん、院内保育所によっては、「経験不問」と提示している場合もあるので、あきらめずに求人を探していきましょうね。
保育士が院内保育所に転職するときの4つのデメリット
以上のように、たくさんのメリットがある院内保育所ですが、一方ではデメリットとなることがあります。
それは以下の4点になります。
- 集団保育ができず、やりがいが感じられない
- 保育士としてキャリアアップしにくい
- 夜勤で生活が不規則になり、体力的にきつい
- 職員が少人数からくるマイナス面がある
デメリットについても、よくわかっておいた方が選択ミスを防げますよ。
集団保育ができず、やりがいが感じられない
院内保育所では、集団保育をする機会が少なく、やりがいが感じられない場合があります。
なぜなら、一般の保育園ほど園児が多くはないため、年齢別で固定されたクラス保育ができない場合があるからです。
たとえば、院内保育所に通ってくる子どもの年齢、登所日、保育時間はさまざまです。
0歳児から時には小学校低学年の子まで、個々の保育の必要性に応じて登所してきます。
日々、色々な子どもが登所するので、保育士は子ども達の状況に合わせて臨機応変に保育をする必要があるんですよね。
また保護者の中には、「大きな集団での活動を経験させたい」と考えて、院内保育所と一般の保育園を併用する場合があるんです。
たとえば、普段は一般の保育園に通い、そこでは見てもらえない時間帯(早朝や夜間など)は、院内保育所を利用するんですね。
つまり、院内保育所では、「保護者が夜勤の時だけ夜間保育を利用する」というような、部分的な使い方をすることがあります。
そうすると、保育士が子どもと接する機会は月に数回ぐらいしかなく、密接な関係を作りにくくなります。
そして、少人数の乳児保育が中心の院内保育所では、行事がなく子どもの生活の世話や遊びの見守りが主な仕事になります。
そのため、毎日の保育が変わり映えなく、単調に感じるかもしれません。
また院内保育所によっては、「保育室が狭い」「使い勝手が悪い」「園庭がない」など施設的に不十分なところがあります。
すると保育士は、通常より多くの配慮をし、子どもの安全を守りながら保育することになるんですよね。
なので、そのような施設では、「のびのびとした保育がしにくい」と感じるかもしれませんね。
保育士としてキャリアアップしにくい
小規模の院内保育所の場合は、保育士としてのキャリアアップしにくい場合があります。
なぜなら、年齢別の子どもたちを集団指導する場面がないからです。
たとえば、「3~5歳児のクラス担任」と「集団保育」は、保育士がキャリアアップするために必要な業務経験です。
ですが、小規模の院内保育所ではそのような経験は積めません。
さらに、保護者参加の運動会や発表会などの大きな行事がないので、その運営業務も経験できませんよね。
それは、保育士としての経験不足につながりやすく、小規模院内保育所でのキャリアアップはあまり期待できないことになってしまいます。
なので、もしあなたが、今後認可保育園へ転職したいと思ったとき、院内保育所の経験がキャリアとして認められにくい場合がある注意が必要です。
夜勤で生活が不規則になり、体力的にきつい
院内保育所で働く時には、夜勤があることがほとんどです。
そのため、生活が不規則になり、人によっては体力的にもきついと感じる場合があるんですよね。
たとえば、多くの院内保育所は、24時間体制で職員のシフトを組むので、早番や遅番があり、さらにほとんどの場合、夜勤があります。
夜勤の回数は、月に1回~5、6回など施設によってまちまちです。
そして、夜勤の勤務時間は16~18時間で、その中に休憩1時間と仮眠2時間を含んでいることが多いですね。
院内保育所によっては、夜勤の職員が交代で仮眠をとれる施設と、一晩中一人で子どもを見守りながら休憩もする施設があります。
仕事内容は、「寝ている子どもの見守り」なので、そう難しくはありませんが、その分時間が長く感じます。
また、夜泣きの子の対応があると大変かもしれませんね。
このような夜勤によって、保育士の生活は不規則になりやすく、仕事と私生活のバランスをとるのが難しくなりがちです。
なので、変則的な生活リズムに、「体力的にキツイな…」と感じるかもしれませんね。
職員が少ないことによるマイナス面がある
小規模の院内保育所の場合、職員も少人数になりますが、そこからくるマイナス面もあるんです。
たとえば、少ない職員で早番、遅番、夜勤を回しているので、急に休みを取りたい場合に休みにくいです。
また、保育以外の雑用を分担する時、一人当たりの仕事量が多くなることもあります。
そして、職員の人数が少ない中で人間関係がこじれてしまった場合は困ります。
その気まずい空気の中でいつも一緒に仕事をしなければならず、毎日気が重くなってしまいますよね。
院内保育所の求人を探すときの2つのチェックポイント
続いて、院内保育所の求人を探すときに大切な2つのチェックポイントについて解説しますね。
それは、
- 夜勤
- 院内保育所の規模
になります。
では具体的に見ていきましょう。
夜勤について
まず、一つ目のチェックポイントは「夜勤」ですね。
一般的な保育園に夜勤はないですし、どんなに夜遅くまで残業しても、それは保育ではなく、書類仕事だったり行事の小道具を作ったりなどモノ相手の仕事です。
ですが、夜勤は子どもがいて、世話をしながら一晩中その安全を守らなければなりません。
本来、夜というのは、あなた自身も体を休める時間帯のはずですが、夜勤をするということは、一晩中起きていて働かなくてはならないんですよね。
さらに、夜勤の間は日中に比べて、保育士の数は少なくなります。
災害などの緊急時の対処は、夜勤の職員の責任で判断しなければならず、それも少々気が重いですね。
ほとんどの院内保育所には夜勤がありますが、その回数や内容は施設によって違うんです。
なので、
- 「夜勤は月に何回あるのか」
- 「勤務時間は何時から何時までか」
- 「休憩や仮眠の取り方について」
- 「夜勤の職員は何名か」
- 「夜勤手当はいくらか」
などは、とても重要なので必ず聞いておきましょう。
もし、夜勤を避けたい場合は、「夜勤なし」の求人を探せばいいと思います。
数は少ないですが、夜勤のない院内保育所の求人はありますよ。
具体的には、施設の開所時間をチェックし、早番や遅番のシフトがどうなっているのかを確認します。
たとえば、こちらの院内保育所の求人は、夜勤がありません。もともと園の開所時間が、「7:30~19:30」となっていることから、夜勤がないことがわかります。
院内保育所の規模
二つ目のチェックポイントは、院内保育所の規模です。
院内保育所の中には、定員が60名程度の規模の大きい所があり、その場合は、一般の保育園のように年齢別のクラスを作り、運動会などの大きな行事を行います。
さらに24時間、夜勤も含めた年中無休のシフトで勤務することになります。
そうなると、「一人一人にゆったりと関われる」「異年齢保育ができる」「行事が少ない」などの院内保育所ならではのメリットがあまり感じられない場合があるんです。
それに加えて、夜勤もしなければならないですよね。
つまり、院内保育所は、施設の規模によって保育や勤務内容が大きく違ってくるんです。
なので、施設ごとの特徴や条件をよく確かめることが大切ですよ。
ただ、院内保育所の求人数はあまり多くない上に、条件の良い求人は保育士転職サイトで非公開に扱われていることが多いです。
なので、個人で探してもなかなか良い求人にめぐり合えず、転職活動がなかなか進みにくいんですよね。
なので、
- 「できるだけ多くの院内保育所の求人の中から、自分に合う施設を見つけたい」
- 「その施設の生の情報を知りたい」
という方は、保育士転職サイトを利用してみるのがいいと思います。
転職のプロによる確かな情報がもらえるので、効率的に転職活動が進められるはずですよ。
院内保育所の勤務に向いている保育士とは?
以上のように、院内保育所には一般の保育園とは違った特徴があります。
その特徴からくるデメリットを、それほど大きく感じないのであれば、院内保育所の勤務に向いているといえます。
たとえば、
- 「夜勤があっても、体力には自信があるので大丈夫!」
- 「土日よりも、平日に休んで自分の時間にしたい」
という方には、向いていますね。
また、院内保育所の求人には、「経験者歓迎」「保育士資格のある方」とあることが多いです。
なので、新卒の方よりも保育経験者向け、そして無資格の方よりは保育士資格を持つ方が有利になりますよ。
まとめ
以上、「院内保育所の特徴」と「保育士が院内保育所に転職するときのメリット、デメリット」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
院内保育所の勤務は、一般の保育園に比べるとそれほど難しくはないです。
少人数の保育であったり、行事がなかったり、保育士にとって負担が少なくメリットは多いんですよね。
しかし、転職を考えるときに、まず押さえておくべき注意点は、「夜勤ができるかどうか」です。
ほとんどの院内保育所には夜勤があるので、その生活パターンが自分に合うか、体力的に大丈夫かを慎重に考えましょう。
それさえクリアできれば、院内保育所は夜勤手当がもらえる分給料がよく、平日に休めるのはとても魅力的ですよね。
ただ、よりあなたに合う院内保育所を見つけるためには、「保育の実態」「職員の人間関係」などの、より詳しい情報が必要ですね。
もし、興味があれば保育士転職サイトから細かな情報を得たり、実際に見学に行ったりしながら、検討してみてはどうでしょうか。
転職先の候補に入れられれば、選択肢の幅が大きく広がりますよ。