5年目の保育士の方は、段々と自信がついてきている一方で、職場への不満はたまりにたまって、「転職しようかな…」と悩んでいることも多いです。
ですが、
- 「5年目まで働いてきたけど、今から転職なんてできるのかな?」
- 「不満はあるけど、我慢していればいつか状況が変わるかも…」
なんて弱気になっていていませんか?
あなたのこれまでの5年のキャリアを正当に評価してくれて、あなたの力を求めている園はあるので、転職だって全く問題ないんですよ。
今回は、「5年目の保育士の方が今の園を辞めたくなる理由」と、「転職した場合にどんな展望があるのか」について解説します。
この記事を読めば、転職への気持ちも固まって、前向きな一歩が踏み出せるはず。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
5年目の保育士が今の園を辞めたいと思う理由は?
では、5年目の保育士の方が今の園を辞めたいと思う理由とは何なのでしょうか。
それには、以下の6つの理由があるんです。
- 責任が増える分荷が重い
- 人間関係の悩みがつらい
- 残業や持ち帰り仕事で長時間労働になる
- 園の保育方針と合わない
- お給料が安い
- 保育士としてスキルアップしたい
では、具体的に見ていきましょう。
責任が増える分荷が重い
園で5年目ともなると、だいぶ園全体のことがわかってきて、もう中堅保育士と言われる年代です。
そうなると、今までよりも責任を持つ立場が増えるので、その分荷が重くなります。
たとえば、一緒に組む保育士は自分より後輩であることがほとんどで、そうなると指導する立場になりますよね。
あなたがクラス運営の責任を一手に背負っていくことになります。
保護者からのクレームも、園長からのダメ出しも、すべて自分が矢面に立って受け止めなければなりません。
また、5年も働いていれば、年に1回の行事も5回は経験していることになりますよね。
そうなれば、行事の総リーダーを務めることも当然でてくるでしょう。
運動会や発表会や遠足やお泊り保育などの大きな行事を、自分が中心になって引っ張っていくことになります。
そんな大きな行事を、自分が一手に責任を負って進めなければならないと思うととても気が重いです。
「5年目なんだからできて当然」と思われて、ちょっとのミスや段取りの悪さがあれば、すべて自分に非難が集まってしまいますからね。
こう考えると、仕事の責任がどんどん自分にのしかかってきて、本当にゆううつです。
「こんな重圧から逃れたい」「もっとのびのびと自分のやりたい保育がしたい」と思いますよね。
人間関係の悩みがつらい
「これまで何とか頑張ってきたけれど、職場の人間関係のつらさがもう限界!」という方は多いです。
特に、5年目の保育士だと、園長や主任などの上司、先輩保育士、後輩保育士といった、いろいろな立場の人たちに囲まれています。
なので、人間関係の悩みの種類も増えていきます。
- 「園長や主任の考え方と合わない」
- 「先輩保育士に目をつけられて何かと意地悪される」
といった、悩みだけでなく、
- 「園長から後輩指導やまとめ役を言い渡されるが、うまくできないと責められる」
- 「指導しても後輩が全くいうことを聞かず、逆に不満を言われる」
などのこともでてきます。
つまり、上からは押し込められ、下からは突き上げられるという、板挟みのような状態ですね。
このような、人間関係の悩みはとても心を消耗します。
たとえ、労働時間が長くても、給料がなかなか上がらなくても、人間関係がよければ心のストレスは大きく軽減されるはずです。
でも、人間関係のストレスが強すぎると、その他のすべてがよくても気持ちよく働くことはできません。
残業や持ち帰り仕事で長時間労働になる
保育士の仕事は、とかく長時間労働だと言われています。
子どもたちが降園した後にも、多くの仕事が残っていて、それをこなすためには残業するか、仕事を持ち帰って家でするしかありません。
そうなると、常に仕事をしている状態、つまり長時間労働になってしまいます。
それは、5年目の保育士にとっても大きな負担のはずです。
1年目、2年目と必死で園の仕事を覚えて、5年目まで頑張り続け慣れてきたと思っても、長時間労働は相変わらず。
これだけ忙しいと、有給休暇だって取りにくいです。
これでは、いつまでたっても自分の時間を作ることができません。
5年目の保育士の方であれば、年齢層は25歳~27歳といったところでしょうか。
そうすると、今が最もプライベートを楽しみたい時期ですよね。
友達と思い切り遊びたいですし、彼氏も作りたいですし、結婚も考えたいとなると仕事ばかりしてはいられないはずです。
もっとプライベートに時間を使って充実した日々を送らないと、あなたの大切な時間を失うばかりです。
そう思うと、長時間労働で仕事漬けの毎日を、このまま続けるわけにはいかないですよね。
園の保育方針と合わない
5年目ともなると、今の園の保育方針に対して、「やっぱりおかしい」「私の考え方とは合わない」と強く感じる場面がでてくることがあります。
それは、当然のことだと思います。
1~2年目のときは、園の保育方針に対して疑問を持つ余裕もなく、「こういうものかな」と思うしかない場合があります。
でも、経験年数を重ねて、あなたなりの保育観や理想が出来上がってくると、今の園のやり方に違和感を覚えはじめるんですよね。
たとえば、「運動会のために毎日練習詰めにすることが、本当に子どもたちのためになるの?」と思ったり、「子どもを怒ったり、なんでもダメダメ、というような保育が本当にいいの?」と疑問に思うと、それが段々と膨らんできます。
そのような、保育方針が合わない園で働くことは本当に苦しいです。
子どもたちに、「こうしてあげたい!」と思うことと真逆のことをやらされるわけです。
それは、毎日自分の気持ちに嘘をついて子どもたちと過ごしていることと一緒ですからね。
5年目ともなると、「私はこんな保育を目指したい!」という思いが出てきても不思議ではありません。
その思いが園の方針と合わないと、毎日が苦しくいたたまれない気持ちになってしまいます。
給料が安い
保育士5年目になれば、「お給料もアップするかな」と期待しますよね。
ですが、園によってはほとんど昇給がなく、「就職したころの給料と比べてもそれほど増えていない」と落胆している方は多いです。
これには、もともと保育士のお給料が上がりにくいことが原因しています。
保育園の運営費用は、国からの補助金と保護者からの保育料で成り立っています。
補助金はもらえる額が決まっていますし、保育料を勝手に値上げすることはできません。
じゃあ、受け入れる子供の人数を増やせばいいか、というと保育室の広さにも限りがあるのでそんなに多くは増やせません。
増やしたら、またその分の保育士を雇わなくてはなりません。
つまり、こういうシステムがあるため、お給料が上がりにくいんです。
それなのに、「経験年数ばかりがどんどん増えていって、責任が重くなるばかりで、その負担に見合ったお給料がもらえない」と不満が募ってくるんですよね。
中には、「園が出してくれない」という理由で、保育に使う制作の材料費をポケットマネーで買っている保育士の方もいます。
そんなことを続けていたら、お給料を自分のために使えず、将来のための貯金も滞ってしまいます。
ちなみに、平成30年賃金構造基本統計から、5年目の保育士の年収を読み取ると、約300万円~350万円の間の方が多いようです。
あなたの年収は、この範囲に入っているでしょうか。
そうでない場合は、保育士の中でも年収が低い方だと思ってよいかもしれません。
保育士としてスキルアップしたい
保育士5年目、そして次は6年目と考えると、「もっとスキルを上げたい、スキルの幅を広げたい」と思う方もいます。
たとえば、人間関係も、お給料もそれほど強い不満はないものの、「一つの園の保育しか知らなくていいのか?」と疑問を感じる方がいます。
あるいは、今の園の保育方針に疑問や不満を感じていて、「もっと違う保育を実践したい」と思う方もいるでしょう。
私の場合は、人間関係の不満はもちろんあったのですが、「このままこの園だけしか知らない状態でいいのか?」と思って、転職を考え始めたのは確かです。
保育のやり方や考え方は園によって本当にさまざまなので、他の園に転職すれば、新たな発見や実践ができるはずです。
また、色々な保育士の方に出会うことで、多くの刺激が得られるでしょう。
自分の保育の引き出しを増やすためにも、また、さまざまな価値観に触れるためにも、他の園への転職は大いにアリだと思いますよ。
5年目の保育士はキャリアが武器になり転職の選択肢が広がる
以上のような理由のため、5年目の保育士の方は転職を本格的に考えます。
ただ、「5年目の保育士の転職ってどうなんだろう? うまくいくのかな?」と気になりますよね。
でも、一つの園で、腰を据えて5年間キャリアを積んできたという実績は、転職の際の大きな武器になるんですよ。
その強みによって、5年目の保育士の転職先は、広い選択肢の中から選べるんです。
勤続年数5年の保育士は貴重な存在
まず、5年目まで一つの園で働き続けている保育士の方って、あまり多くはないんですよ。
なので、とても貴重なキャリアを持っていると言えるんです。
たとえば、下のグラフは、平成30年度保育士実態調査によるものですが、保育士の方が一つの園で最も長く働いた年数について表しています。
その中で、正社員の割合をで見てみると、「1か所の職場で最長4~5年勤めた」という方は、全体の約18.7%になっています。
一方、「1か所の職場での最長勤続年数が1年未満~3年」という方の割合は61.3%です。
つまり、1か所の職場で3年以内には転職したり辞めたりしている方の割合の方がずっと多いということですよね。
ここからも、いかに5年間も勤め続ける保育士の方が稀であるかがわかります。
あなたの園でも、「周りの保育士は1~3年でどんどん辞めていって、残っているのは自分くらい」なんていうことはありませんか?
そうであれば、やっぱりグラフの値はその状態を表しているのかもしれませんよね。
もちろん、居心地のいい園であれば、5年目の保育士もそれ以上の人もいると思いますよ。
でも、グラフにもあるように、5年間一つの園で働き続けたという経験値は貴重であり、即戦力としてどこの園も期待するわけです。
保育士として、また社会人としての実力を期待される
そして、5年目の保育士には、保育士として、また社会人としての実力を大いに期待されるはずです。
まず、保育士としては、「さまざまな年齢の子どもの発達を理解している」という経験値があります。
もちろん、0歳児から5歳児までのクラス担任をまんべんなく経験することは難しいでしょうが、それなりに色々な年齢のクラスを担任してきたはずです。
そうなると、「〇歳児と△歳児の保育は大体わかる」といった実力が備わっていますよね。
他にも、行事や保護者対応についてもある程度の経験があるので、安心して任せられます。
また、5年間働いてきたということで、社会人としての経験値にも期待が寄せられます。
たとえば、5年目の保育士には、社会人としての常識やマナーをいちいち教える必要はありません。
逆に、年下の若い保育士に対して、あなたからそういったことを指導してもらいたいと思うはずです。
このように、5年目の保育士は、いろいろな方向から見て強みが見つかりやすいです。
なので、どんな園に応募しても胸を張ってキャリアをアピールできるはずです。
転職先の選択肢を幅広く考えられるのが有利
そして、5年目の保育士は、転職先の選択肢も広く考えられるはずです。
今と同様の規模や種類の園で働くこともできますし、保育園以外の施設で働くこともできます。
たとえば、学童保育や児童発達支援施設などの福祉施設ですね。
扱う子どもは違いますが、保育園での経験が5年あるという信頼感から、雇ってもらいやすいです。
志望動機としても、「新たなキャリアを積みたい」という前向きな内容として話しやすいですよね。
あるいは、小規模認可保育所や企業内保育所、院内保育所といった小規模な保育施設などでも歓迎されます。
特に、小規模な保育施設では職員数が少ないので、保育スキルが高い保育士に来てもらった方が即戦力となり喜ばれます。
とにかく、これまで頑張ってきたことがしっかりと評価された上で、転職先の幅が広がるというのが、5年目の保育士の有利なところですね。
5年目の保育士の転職はアリ!広い視野で転職先を探そう
このように、5年目の保育士はいろいろな強みを持っています。
なので、「転職したいけど、大丈夫かな?」なんて心配する必要はありません。
どうしても今の園で働き続けるのがつらい方、また、新しい環境で新しいキャリアにチャレンジしたい方は、転職を積極的に検討してもOKです。
ですが、自分一人で転職先を探そうとしても、さまざまな視点から情報を集め客観的に検討しようとしても結構難しいです。
一人であれこれ考えていると煮詰まってしまったり、ためらう気持ちが出てきたりして、結局は現状で我慢し続けることになってしまいます。
もんもんとする時間が長引いて、転職のチャンスを失いがちなのが5年目の保育士なんです。
なので、そうならないように客観的な意見を言ってくれたり、転職の専門知識を教えてくれるアドバイザーを使うことをおすすめします。
たとえば、保育士転職サイトを使えば、5年目の保育士としてのあなたの悩みやこれからの展望を話し合いながら、理想のキャリア形成への近道を教えてもらえるはずです。
転職のプロとして経験してきたさまざまな知恵を貸してもらって転職活動ができれば、失敗のない転職ができますよ。
まとめ
5年目の保育士には、武器となる強みがたくさんあるので、転職すればキャリアの展望はかなり開けます。
これまでの経験を活かして同じようなキャリアをさらに積むの良いですし、違う種類の施設で新しいキャリアに挑戦することもできますよ。
ただ、5年間も勤めていると大変なことやつらいことがあっても、それも含めて慣れてしまいますよね。
「きっと、どこへ行っても大変なのは同じ」「我慢できる範囲だから大丈夫」などと、自分の本当の気持ちから目を背けてしまいがち。
でも、今より状況が悪くなっていったとき、「あの時勇気を出して転職しておけばよかった」なんて後悔することになるかもしれませんよ。
そんなことにならないように、今から環境を変えるための行動を起こしましょう。
どうしても不安を感じる方は、保育士の転職のプロを活用して、キャリア相談をしながら転職活動を進めていくのが安全でしょうね。
そうすれば、転職失敗のリスクも減らせますよ。
保育士としての自分をもっと成長させ、理想の生活を手に入れたい気持ちがあるのなら、勇気を出して環境を変えるための一歩を踏み出していきましょう。