念願の保育士になり、期待に胸を膨らませて就職したのに、1年もたたないうちに、「もう辞めたい」と思っている方はとても多いんです。
いざ働き始めると、たくさんの壁にぶち当たり、悩みが深くなってしまうのが1年目の保育士なんですよね。
ということで今回は、保育士1年目で、「うまく動けない!」とか、「もう、保育士辞めたい!」なんて思い詰めてしまっている方に向けて、「保育士1年目のよくある悩み」や、「辞めたくなる理由とその解決策」について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、「悩んでいるのは自分だけじゃない」「こんな解決方法があるんだ」ということがわかるはず。
少しでもあなたの心が軽くなって、いい方向に進んでいけることを願っています。
「もう限界!」~1年目の保育士が辞めたくなる理由
まずは、1年目の保育士の方が辞めたいと思う理由にはどんなものがあるのでしょうか。
それは以下の7つです。
- 先輩保育士の指導が厳しい
- 先輩保育士の子どもへの接し方がきつい
- 園長の保育方針と合わない
- 仕事がなかなか覚えられず、うまく動けない
- 子どもが言うことを聞いてくれない
- 残業、持ち帰り仕事が多い
- 給料が安い
では、具体的な内容を解説しますね。
先輩保育士の指導が厳しい
1年目の保育士の方が最も悩むのは、「先輩保育士の指導が厳しい」「先輩保育士との関係がうまくいかない」ということです。
なぜなら、いざ保育に入ると何をするべきなのか、どう動いたら良いのか、毎日わからないことだらけで、全然うまく動けないからです。
そのせいで、先輩保育士から厳しく指導されたり、あげくの果てに、先輩保育士との関係が悪くなったりしてしまうんです。
もちろん、あなたなりに先を考えて動こうとしたり、「次は何したらいいですか?」と先輩保育士に聞いたりして努力していると思います。
ですが、手取り足取り、あなたに優しく仕事を教えてくれる先輩保育士ばかりではないんです。
なんで先輩保育士はそんなに厳しいの?
先輩保育士が厳しいのって、それは、その先輩の性格が原因のこともありますが、「保育現場の仕事の過酷さ」も影響している場合があるんですよね。
たとえば、長い目で新人を育てたいと思っても、保育現場は常に仕事が山積みで、先輩保育士といえども余裕がありません。
特に、年度替わりの4月は新入園児のほとんどが泣いていて、進級児も担任や保育室が変わったことで落ち着きませんよね。
それにこの時期は、製作物や書類仕事もすごく多くて、経験のある保育士と組んでも、毎日が鬼のように大変なんです。
それなのに、1年目の保育士と組むということは、先輩保育士にとってはものすごく負担が大きいんですね。
子どもたちだけでなく大人(1年目の保育士)の面倒も見なくてはならないことに、強いストレスを感じるわけです。
そんな状態なので、先輩保育士のあなたへの指示の仕方はどうしてもきつくなりがちです。
「○○しといて!」「○○ってさっき言ったでしょ!」「少しは自分で考えて動いて!」などと言われてしまいます。
1年目の保育士に早く仕事を覚えてもらって、できるだけ早く戦力になって欲しいという焦りから、そんな言動になってしまうんですね。
でも、ただでさえドギマギしているのに、毎日こんなことを言われて、さらに、「ほんとに今年の新人は使えない!」なんて聞こえよがしに言われたら、いたたまれない気持ちになりますよね。
とてもつらいですが、こう言ったことは結構ありがちです。
ただ、私が思うに、そんな先輩保育士って、1年目の保育士にあれこれと求めすぎですよね。
先輩なら先輩らしく、もっと長い目で後輩を見てあげながら保育や社会人のマナーなんかを教えていくべきです。
それも、感情的になるのではなく、ちゃんと相手の立場に立って、わかるように言ってあげないといけないです。
だって、先輩保育士だって新人の頃があったはずで、テキパキ動けなかったり、ミスしたりしてきたはずなんです。
それを忘れて、1年目の保育士に完璧を求めるのは、ちょっと違うかなと思いますよね。
先輩保育士の人間性に問題がある場合は最悪
先輩保育士が、「余裕がなくてイライラしてしまう」「期待と焦りから言葉がきつくなる」というのは、決して褒められたことではないです。
でも、そのくらいなら、1年目の保育士が段々と成長することで、関係がよくなることは十分にあります。
ですが、そもそも先輩保育士の人間性に問題があって、「組んだ相手が悪かった」と思うしかないようなケースは最悪です。
1年目の保育士にキチンと指導もせず、自分の感情をストレートにぶつけ、攻撃して憂さを晴らすようなことを平然とする人がいるんですね。
私も、保育園に就職して1年目のときに、なかなか先輩保育士の思うように動けなくて、小言を言われることがありました。
それは、確かに自分が悪かったのですが、その先輩は私にだけそっけない対応をするようになり、その都度いたたまれない気持ちになったことを覚えています。
私の場合はその程度で済んだのですが、ひどくなると、
- 「必要な伝達事項を自分には教えてもらえない」
- 「毎日、人格否定のようなお説教をされる」
- 「仲間外れや嫌がらせをされる」
- 「濡れ衣を着せられて、してもいないことで叱られる」
なんて、いじめのような扱いを受ける場合もあるんです。
他にも、園内の先輩保育士同士の力関係に巻き込まれてしまうケースがあります。
ボス的な先輩保育士に気に入ってもらえなければ、誰にも受け入れてもらえません。
そのため、いつも周りの目を気にして行動するようになり、自分らしさを表現できなくなってしまうんです。
このような、さまざまな人間関係の悩みで、1年目の保育士は心がすり減ってしまいます。
誰かに相談できれば良いのですが、同期の保育士もなく、園長や主任もその先輩保育士の味方をするようでは、それもできません。
そんな理不尽な毎日が続くことによって、精神的に追い詰められると、子どもたちのことも可愛いと思えなくなってしまいます。
毎日保育園に行くのが嫌でたまらなくなるのも無理はありませんよね。
先輩保育士の子どもへの接し方がきつい
「先輩保育士の子どもへの接し方がきつい」「保護者に対するひどい陰口を聞かされる」なんてことに悩む1年目の保育士の方も結構多いんです。
1年目の保育士は、「子どもたちの心に寄り添って優しく接していきたい」とか、「保護者を温かく見守ってあげたい」という理想を持って就職したと思います。
実際、そのような保育士像を目標に掲げて、日々努力している保育士や保育園はたくさんあります。
しかし、残念なことに、自分たちの感情を露骨に子どもにぶつけ、その場にいない保護者の陰口を平気で言い合うような保育士集団もあるんですよね。
そんな先輩保育士たちの様子を目の当りにしたら、1年目の保育士にはとてもショックです。
たとえば、
- 「子どもたちを感情的にきつい言葉で叱る」
- 「子どもを馬鹿にしたような態度を取って笑い合う」
- 「子どもを引っ張る、小突くなど乱暴に扱う」
なんてことををしてしまう先輩保育士って、実際にいるんですよ。
また、保護者の言動を一つひとつあげつらって、「全く、あの親はどうしようもない」とあざ笑ったり、悪口を言ったりして楽しそうにしている人達もいます。
私が一緒に組んだある先輩保育士も、世間話をする分には楽しい人なのですが、子どもへの言葉かけが大人に対するような、言い方のきつい人だったんですよ。
それを聞くたびに、私の心はチクチクと痛みました。
そうかと言って、先輩に向かって意見することなど、とてもできませんでした。
後に、その先輩は転職したためそれ以上のストレスにはなりませんでしたが、「子ども相手にそんな言い方しなくても…」という思いを日々感じていたことを覚えています。
もし、あなたの今の園にそんな先輩保育士がいたり、園全体がそんな雰囲気だったりすると、あなたの気持ちはかなり重苦しいですよね。
毎日、自分の気持ちを押し殺して保育することになってしまい、園への不快感がどんどんたまっていってしまいます。
園長の保育方針と合わない
他にも、園長の保育方針が合わないため、毎日疑問を感じて過ごす場合があります。
保育方針に対して、「それにどんな意味があるの?」とか、「そこまでする必要ある?」などと思っても、あなたは雇われている立場、ましてや1年目なので逆らうことは不可能です。
どんなに不本意でも、それが園長の方針なら、その通りに保育するしかありません。
しかし、それは、「自分のやりたい保育をしている」ことにはなりませんよね。
自分に嘘をつき、子どもにとって良いとは思えないことをしなければならないからです。
そんな毎日では、子どもと自信をもって向き合うことができないです。
子どものためにも自分のためにもならない保育をするのでは、保育士のやりがいは決して感じられないです。
保育士にとって、これほどつらいことはないと思います。
仕事がなかなか覚えられず、うまく動けない
保育士1年目だと、なかなか仕事が覚えられず、うまく動けないことは多いです。
初めてのことばかりなので、見通しや自分の動きがイメージが持てなかったり、先輩の指示をうっかり忘れてしまったりするからです。
たとえば、本当なら、「リーダー」「サブ」「フリー」の役割によって、どのタイミングでどう動くのかを理解し、常に先を考えて動かないといけないですよね。
保育士同士がうまく連携を取れないと、子どもの活動が滞ったり、ケガや事故につながったりしますからね。
他にも、季節の保育や行事などの時には、新たに段取りを覚えていつもよりもテキパキとなおかつ注意深く動かなくちゃならないです。
こんなふうに、1年目の保育士は、覚えることが日々たくさんあるので、「早く覚えなきゃ」「うまくやらなくちゃ」と焦って、その結果、余計に頭や体が動かなくなって失敗する、という悪循環に陥っちゃうんですね。
そんな、あたふたした状態が続くと、先輩からの注意も度重なり、どんどん自信を無くして自己嫌悪に陥ってしまいます。
さらには、「自分は保育士には向いていないんじゃ…」とまで思ってしまうんです。
子どもが言うことを聞いてくれない
クラスの子どもたちのカラーにもよりますが、落ち着きがなく、個別に配慮が必要な子どもが多いクラスだと、1年目の保育士は特に大変です。
「子どもたちがなかなかいうことを聞いてくれない」なんていうこともよくあります。
そんな子どもたちの心をつかんで上手に対応するなんてことは、そう簡単ではありませんからね。
そのような子どもたちは、新しい保育士に対して「試し行動」をすることがあります。
先輩保育士の言うことは聞くのに、あなたの言うことは聞かないなど行動に違いが見られることってないですか?
まさしくそれは、「新しい先生はどこまで自分を許してくれるのかな」と、あなたを試しているわけですが、その行動はとてもやっかいです。
対応を間違えると、さらに試し行動がエスカレートしてクラスが落ち着かなくなってしまいます。
「子どもたちが言うことを聞いてくれない」という状態は、保育士として本当に困ります。
「どうしてこんなことをするのか」「自分の対応のどこが悪いのか」などと悩みます。
私の場合、5歳児を先輩保育士と2人で担任した時、そのようなことがありました。
先輩がいると、クラスは落ち着いているのに、私が一人で見ているときには大騒ぎになってしまいます。
自分では一生懸命やっているつもりなのですが、どうしても先輩のようにうまくできませんでした。
そんなとき、他のクラスの先輩保育士に、「〇〇先生(私)が一人の時は、(クラスの状態が)ひどいよね」と言われてしまったこともあり、当時はとても落ち込みました。
「そんなこと言われても、先輩のようになんてできるわけない!」なんて思っていましたね。
それでも、一緒に組んでいた先輩保育士は温かく見守ってくれたので、私は救われました。
でも、「〇〇先生、もっとしっかりしないと」「何やってるの」などと注意され続けたら、きっと自信を無くしてしまい、保育園に行くのが苦痛になっていたと思います。
残業、持ち帰り仕事が多い
保育士の仕事は、子どもたちと遊び、身の周りの世話をするだけではないですよね。
活動の材料の下準備をしたり、毎日日誌や連絡帳を書いたり、指導計画書や児童票を書いたりなど、保育以外の仕事がとても多く、そのために残業や仕事の持ち帰りも日常的です。
もちろん、子どもたちの昼寝の時間にも、保育士は日誌や連絡帳を書き、さらにその他の仕事もして、休憩なんかほとんどしていません。
ですが、たった1時間半程度の昼寝の時間ですべての仕事が終わるわけはなく、どうしても残業することになってしまうんです。
行事前などはさらに夜遅くまで残って仕事をすることもありますよね。
それでも朝は通常出勤するんです。
そうなると、寝るだけのために家に帰るような状態になり、体を休めたり気分転換してくつろぐ暇なんてありません。
たとえ残業しないとしても仕事を家に持ち帰ることになるので、結局いつも仕事から離れられない状態です。
先輩保育士との関係が悪い中で、仕事の拘束時間が長く、家に帰ってもリラックスできないのでは、心も体も疲れ切ってしまいます。
プライベートの時間も取れず、何のために仕事をしているのかわからなくなってしまいますよね。
給料が安い
保育士の給料は、他の職種に比べると安い傾向にあると言われています。
例えば、下の表のように、女性の場合1年目の看護師は約23.5万円、幼稚園教諭は約19.2万円となっており、それに比べて保育士は約18.7万円で安いです。(平成29年賃金構造基本統計調査による)↓
看護師 | 幼稚園教諭 | 保育士 |
23万5千円 | 19万2千円 | 18万7千円 |
居心地悪い人間関係の中で、長時間拘束されて働かなくてはならないのに、こんな安い給料ではモチベーションが保てないのも無理はないです。
いくら、「子どもたちの笑顔を見られるのが、保育士のやりがい」と思っても、それだけでは頑張りきれませんよね。
そもそも、給料が安すぎると生活を維持するのが難しく、今後の自分の人生設計までも危うくなってしまいます。
ハードな労働に見合った、そして、安心して暮らせる給料がもらえないのでは、やる気が出ず辞めたくなるのも仕方ないですよね。
「辞める」以外の解決策もある
以上、「保育士1年目なのに辞めたくなる理由」について挙げてきました。
どれも1年目の保育士にとっては深刻な悩みであり、辞めたくなる気持ちはよーくわかります。
私も同じような気持ちを味わってきましたからね。
ただ、気持ちが追い詰められているために、現状を的確に判断できていないこともあるかもしれません。
今一度、冷静に振り返ってよく考えてみることをおすすめします。
ここでは、「辞める」以外の解決策について解説しますね。
「うまく動けなくても当たり前」と腹をくくる
まず、「保育士1年目なら、うまく動けなくても当たり前」と、いい意味で腹をくくってしまう、というのもアリです。
なぜなら、誰でも何かを始めたときには初心者であり、最初からすべてが上手にこなせる人なんていないからです。
たとえば、1年目の保育士であれば、「園の仕事の流れがわかっていない」「子どもとの接し方に慣れていない」ために、うまく動けないのが普通です。
スムーズに動けるようになるには、何度も経験したり失敗したりすることもあるでしょう。
そうすることで、段々と仕事を覚えていくんです。
なので、「先輩の言うとおりにできない自分は、保育士失格なのだ」などと、必要以上に落ち込む必要はないんですよ。
もちろん、注意されれば誰でもへこみますが、その気持ちを引きずるのはよくありません。
「次は同じことを繰り返さないようにしよう!」と心に決めて、仕事に望んでみてはどうでしょうか。
つまり、あなたの辞めたい主な理由が、
- 「仕事がなかなか覚えられない」
- 「先輩保育士の指示どおりにうまく動けない」
といったことだった場合、それは、「1年目の保育士であれば、誰でも通る道」ということなんです。
そうであれば、もう少し頑張ってみるのもいいかもしれませんね。
気持ちを切り替え真摯に努力してみる
先輩保育士から注意され続ければ、仕事に行くのが嫌になってしまう気持ちもわかります。
「毎朝、園に向かう足取りが重く、ため息しか出ない」「辞めることばかり考えてしまう」など、それ程落ち込んでしまう保育士の方もいると思います。
しかし、少し冷静になって考えたとき、先輩保育士の思いがいくらかでも理解できるのであれば、「あなた自身の気持ちを切り替えて、何かしらの努力をしてみる」という方法もあります。
たとえば、先輩保育士に注意されたとき、ただ悲観的になるのではなく、反省するところは反省し、同じ失敗を繰り返さないように気をつけてみましょう。
自分のできることを精一杯、丁寧に積み重ねていくと、いつか誰かがそれを認めてくれますよ。
具体的には、
- 「1日の流れや注意点をメモして理解する」
- 「先輩保育士の動きをよく見て、自分も取り入れる」
- 「先を見通して積極的に動く」
- 「わからないことは質問するが、同じ質問を繰り返さない」
などを心がけてみてください。
そうすれば、先輩保育士にもあなたなりの努力が伝わり、理解してもらえる日が来るはずです。
心許せる人と悩みを分かち合い気持ちを楽にする
そして、「心を許せる人と悩みを分かち合って、気持ちを楽にする」という方法もありますよね。
なぜなら、信頼できる人に気持ちを聞いてもらえるだけで、心が救われることってたくさんありますからね。
たとえば、1年目の保育士って、全く新しい環境で、新しい仕事を覚えて慣れていかなくちゃならなくて、たくさんの悩みや苦労を抱えるものです。
でも、そんな状態でも、あなたが心を許して話し合える人が園に一人でもいれば、精神的にかなり救われるはずです。
自分の正直な気持ちを吐き出せる相手がいるって、とても大事なことで、ありがたいことですよね。
どんなに仕事がきつくても、先輩保育士から厳しくされても、その大変さを誰かと分かち合えれば、「大変だけど一人じゃない。また頑張ろう!」と、前向きになれます。
自分の悩みをため込まず、適度に吐き出していくことは、ストレスを負わないためにも効果的なんです。
今の園にあなたの気持ちを分かってくれる人がいて、お互いに励まし合えるのであれば、今すぐ辞めるのではなく、もう少し続ける選択肢もあるかもしれませんね。
自分を守るためなら転職するのもアリ
それでも、やっぱり、「辞める以外の解決策ではムリ!」という場合は、転職を考えるのもアリです。
「これ以上はつらすぎて、精神的にどうにかなりそう!」と思うのであれば、自分をも守らないといけません。
こういう状態のときは、「1年目で転職したら、今後のキャリアに悪影響があるんじゃ…?」なんて心配する必要はないです。
1年目で転職する保育士の方はたくさんいますし、それこそ、年度途中で、「3か月で辞めました」「6か月で辞めました」なんていう人もいますよ。
今は保育士不足なので、保育士を募集している園はたくさんあり、たとえ数か月でも経験がある保育士が来てくれれば、園としてはとても助かるんですよね。
なので、1年目の保育士の方でも転職しても何の問題もないですし、「新しい園では、ノビノビと楽しく働けるようになった」という方もいるので、希望を持っていいと思います。
それから、1年目の保育士の中には、「1年目で転職するなんて、甘えてるのかな」「責任感がないと言われそう」など、自分のことを責めてしまう人もいますが、そんな風に思う必要はないです。
あなたは十分に頑張ったし悩んだし、つらい状況に耐え続けてきました。
たとえば、
- 「人格を否定するようなことを言う」
- 「あからさまな無視や仲間外れが続く」
- 「些細なミスに、やってもいないミス対して長時間叱る」
など、どう見ても理不尽なことが続いているのであれば、それはあなたの、「甘え」とか「責任感」とかの問題じゃなく、職場の問題です。
そんな環境からは逃げた方がいいです。
あるいは、
- 「残業や持ち帰り仕事をしても、仕事が終わらない」
- 「体や心を休める時間が取れない」
なんて、心身の負担が大きくなってきている場合もあるでしょう。
このような状態が続くと、慢性的な睡眠不足と疲労によって、「朝起きられない」「吐き気がする」「食欲がない」など体に異常を来たしてしまう場合があります。
さらに、「わけもなく涙が出てくる」「今事故に合ったら、園に行かなくて済むのに」と考えるようになったとしたら、それは明らかに精神的に追い詰められています。
ここまで辛くなってしまう場合には、ためらわずに転職することをおすすめします。
これは、心と体のSOSであり、一刻も早くその辛い環境から離れなくてはなりません。
放っておくと、うつ病などの精神疾患になってしまうかもしれませんよ。
「せっかく入った園なのにもったいない」「1年も続かないなんて、自分に我慢が足りないのでは」などと思わないで下さいね。
あなたをここまで追い込んで働かせる園は、決してもったいなくはないですし、あなたの我慢が足りないわけでもありませんよ。
いくら愚痴をこぼし合える仲間が園にいても、それだけでは耐えられないことだってあります。
あなたが大切にするべきなのは、あなたらしく輝ける場所で働くことです。
そうなると、今のあなたの悩みや心と体の負担を取り除くための解決策は、「転職」かもしれませんね。
自分自身を守る決断ができるのはあなただけです。自分を大切にするのに、誰かに遠慮することはないんですよ。
1年目の保育士が転職を成功させるために必要なこと
以上のように考えて、1年目の保育士が転職しようと決心したら、具体的には何から始めたらいいのか解説していきますね。
それは、次の2つですね。
- 辞めたい理由を明確にする
- 保育士転職サイトに登録する
辞めたい理由を明確にする
まずは、あなたが今の園を辞めたい理由をはっきりとさせておきましょう。
もちろん、複数の要因があって、一言では言えないような方もいると思います。
しかし、それでも一つひとつを書き出して、どれが最も大きな理由なのかを明確にしましょう。
そうでないと、自分が働きたい保育園像が見えてきません。
その状態でたくさんの求人を見ていると、何を基準に選べばよいかわからなくなってしまうんですね。
そのあげく、自分の希望とずれた園を選んでしまったら、せっかくの転職が無意味になってしまいます。
自分が最も大切にしたいのは「お給料」なのか、「人間関係」なのか、「休日」なのか、あるいはもっと別のことなのか、よく考えてみましょう。
いつでも自分の最優先事項に立ち戻って、求人をチェックできるように頭を整理しておいてくださいね。
保育士転職サイトに登録する
次にするべきことが、保育士転職サイトへの登録です。
1年目の保育士の方が転職する場合、何かと不安に思うことが多いと思います。
たとえば、「1年も続かなかった自分を採用してくれる園があるのか」「人間関係の良い園に行きたいが、そんな園があるのか」など、心配なことはたくさんありますよね。
他にも、「面接で退職理由は何て言えばいいんだろう」「自己PRや志望動機はどう書けば好印象になるんだろう」なんて、転職活動でいずれ直面する疑問もあります。
そんな1年目の保育士の方が転職する時に、心強い味方となってくれるのが、「保育士転職サイト」なんです。
保育士転職サイトに登録すると、キャリアコンサルタントがあなた個人の担当としてついてくれます。
キャリアコンサルタントは、「1年目だけど今の園を辞めたい」というあなたの事情を聞きとった上で、あなたの希望に沿った求人を探して紹介してくれるんです。
1年目で辞めたい保育士の方はかなり多くいるため、保育士転職サイトでもそのような保育士の方の相談をたくさん受けています。
これまで扱ってきた多くの転職相談の経験から、あなたにピッタリのアドバイスがもらえると思いますよ。
また、あなたが在職中でどんなに忙しくても、キャリアコンサルタントがいれば仕事と同時に転職活動を進められます。
転職活動のために、まとまった時間が取りにくい保育士の方にはとても便利なんですよね。
これらのサービスがすべて無料で使えるのですから、まずは気軽に登録してみてはどうでしょうか。
まとめ
1年目の保育士は、必死に努力していてもそれが周りに伝わらず、誤解され、否定されてしまうことがあります。
その辛さから、「辞めたい」と思ってしまう方は多いです。
しかし、その辛さを乗り越えた時、保育士として、また社会人として成長した自分に出会えるはずです。
ただ、園の環境によっては、過剰なストレスによって、心身を病んでしまう場合があります。
そんなときには、「1年目なのに辞めるなんてダメだよね…」なんて負い目を感じる必要はないですよ。
無理せず、他の園に転職しましょう。
保育園は一つではなく、もっとあなたらしく働ける園があるはずです。
そして、転職するからには、次こそあなたに合う園にめぐり合いたいものです。
そのためにも、保育士転職サイトを上手に活用しましょうね。
一人でも多くの味方をつけて、転職活動を乗り切り、新しい園で保育士としての再スタートを切りましょう。