こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
これまでは、「保育士=女性の仕事」というのが当たり前でしたが、最近は、男性保育士がいる園も段々と増えてきているんです。
女性職場だった保育園に男性保育士が入ることで、新しい風が吹き、職場が活性化されたり、新たな役割分担ができたりなど、男性保育士のメリットはたくさんあるんですよね。
ただ、当の男性保育士にはいろいろな悩みもたくさんあるんです。
この記事では、
- 「男性保育士の実態」
- 「男性保育士の魅力」
- 「男性保育士が抱える悩みとその解決方法」
- 「男性保育士の今後の展望」
などについて解説していきます。
この記事が、男性保育士の方の心を少しでも軽くでき、また良い方向に向かうための行動の第一歩につながればと思います。
また、男性も女性も、お互いを尊重し合いながら、楽しく働ける職場をつくるきっかけになれれば幸いです。
目次
男性保育士の実態
では、初めに、「男性保育士の実態」について3つの側面から見ていきましょう。
それは以下の3点になります。
- 男性保育士の人数は圧倒的に少ない
- 男性保育士の雇用形態は「正社員」が多い
- 男性保育士の給料は少ない傾向にある
男性保育士の人数は圧倒的に少ない
男性保育士の人数は、まだまだ圧倒的に少ないです。
男性保育士がいる園は増えてきている印象はありますが、一人も男性保育士がいない園もありますよね。
「令和元年度賃金構造基本統計調査」によると、保育士として働いている方の総数が、男女合わせて256,140人であるうち、女性保育士が24万3,120人、男性保育士が1万3,020人となっています。
つまり、男性保育士の数は、それにひとケタ足してさらに倍にしても、女性保育士の数にはまだまだ届かないほどの少なさなんです。
割合で言うと、男性保育士は保育士全体の約5%しかいないんですね。
ただ、「全国保育協議会会員の実態調査報告書2016」によると、男性保育士の割合は、2011年→1.9%、2016年→3.9%という推移でちょっとずつは増えています。
ただ、「女性保育士の数に比べて圧倒的に少ない」という状況は、そう簡単には変わらないのかな、と思われます。
男性保育士の雇用形態は「正社員」が多い
男性保育士の雇用形態は、「正社員」が圧倒的に多いですね。
「平成30年度東京都保育士実態調査結果の概要」によると、男性保育士は、正社員の割合が20代で93.4%、30代で72.7%といった高い数字が出ています。
これは、女性保育士とは違って、「結婚や出産が原因で仕事を辞めたり、パートへ転向したりすることがないため」と見ることができます。
また、保育士になるくらいですから、将来結婚して家庭を持ちたいとを考えている男性保育士は多いでしょう。
そうなると、安定した給料を得たいはずで、なので、将来も見据えて雇用の安定した正社員で働くことを選んでいるのかもしれませんね。
男性保育士の給料は少ない傾向にある
男性保育士の給料は、他の業種と比べても少ない傾向にあります。
ここでも、「令和元年度賃金構造基本統計調査」を見ると、男性保育士の年収は、31.9歳(勤続年数6.2年)を平均とすると、389万1,600円となっています。
ちなみに、他の職種を見て見ると、看護師の場合は496万800円、ケアマネージャーの場合は424万500円となっていて、職種の傾向は全く違いますが、プログラマーの場合は、442万3,700円となっています。
こう見てみると、女性保育士に限らず、男性保育士の給料も安い方だと言えますよね。
なせ、保育士の給料が男女ともに安い傾向になるのかは、保育士の「お給料が安い!」という悩みを解決する方法 の記事に詳しく書いてありますので、そちらをご覧くださいね。
男性保育士ならではの魅力とは?
では、「職場に男性保育士がいてくれるといいな」と思うこと、つまり、男性保育士ならではの魅力5つについて見ていきましょう。
それは、
- 力仕事ができる
- ダイナミックな遊びができる
- 女性保育士にはない視点がある
- 防犯上いてもらえると安心
- 男性保護者とのコミュニケーションが自然にできる
などの5つがあると思います。
力仕事ができる
やはり、男性なので、女性保育士よりも体力や腕力がありますから、力仕事を担ってもらえます。
保育園の仕事には、結構力仕事がありますからね。
子どものおんぶや抱っこはもちろん、お昼寝用の布団やコットを運ぶ、散歩車を押すなどの、力仕事を男性保育士にやってもらえるのはとても助かります。
特に、運動会などの行事の時には、大道具や小道具を運ぶ作業がかかなり重労働です。
ちなみに、私が働いていた保育園では男性保育士がいなかったので、近くの小学校で運動会をやった時も道具を運ばなくてはならず、それがとーっても大変でした。
こんな力仕事がつらい場面では特に、「男性保育士がいてくれたらな~」って思いますよね。
ダイナミックな遊びができる
男性保育士だと、女性保育士に比べて体を使ったダイナミックな遊びができるのがいいですよね。
たとえば、乳児であれば、“高い高い”や肩車をするなど、体全体を大きく使ったスキンシップ遊びができますよね。
幼児の場合も、腕に子どもを捕まらせてぐるぐる回したり、追いかけっこでずっと走り回ったりするのも、それほど苦もなくできると思います。
でも、女性保育士ではとても肩車なんて子どもを落っことしそうで怖くてできないですし、追いかけっこもしばらくしたら息切れしちゃいます。
女性保育士ではしてあげられない大胆な遊びができることは、男性保育士の大きな強みですよね。
女性保育士にはない視点がある
男性保育士には、女性保育士にはない視点があり、それを保育に取り入れることによって保育の幅が広がります。
たとえば、女性保育士は細かなところに目が行きがちですが、男性保育士はおおらかな考えを持って子どもたちをとらえる傾向があると思います。
もちろん、女性、男性関係なく個人の性格によることもあり、一概に決めつけることはできませんが、そういった傾向はいくらかあるのではないでしょうか。
なので、園に男性保育士がいた場合、女性保育士とは違う目線や考え方で子どもをとらえたり、仕事に取り組むことがあり、それはとてもいい刺激になるはずです。
そういった新しい風が吹き込まれることは、園全体の活性化につながるのでいいですよね。
防犯上いてもらえると安心
男性保育士がいると、防犯上安心という面があります。
たとえば、最近は子どもを狙う不審者などの事件もよくあります。
なので、園児を連れての散歩や遠足などのときは、園児の安全を守るため、かなり周りを警戒しながら出かけていると思います。
ですが、何かあったとき、女性保育士だけで子どもたちを守り、不審者に対抗できるかと考えるとやっぱり不安なものがあります。
ですが、その中に男性保育士がいるだけで、不審者が寄り付きにくくなり防犯効果はかなり高くなると思います。
もし、万が一のことがあっても、男性保育士に対処してもらう方がずっと頼りになるので心強いです。
男性保護者とのコミュニケーションが取りやすい
男性保育士であれば、男性保護者、つまり子どものお父さんとのコミュニケーションが取りやすいです。
たとえば、最近では、子どもの送り迎えをするのはお母さんとは限らず、結構お父さんが来る家庭もありますよね。
お父さんでも社交性があって、女性保育士とも自然に話せる方もいますが、なかなか打ち解けてくれないお父さんもいるんですよね。
そんなとき、男性保育士が対応したら、やっぱりコミュニケーションが取りやすいんじゃないかなと思います。
同性の男性保育士が相手だとお父さんも心を許しやすいと思いますし、子どもの話をしたり何かあれば相談したりなどもできますよね。
男性保育士の抱えている悩みとは?
以上のように、男性保育士には、女性保育士とは違った魅力があって、一緒に働けたら保育の幅も広がってとてもよさそうです。
ですが、そんな男性保育士には男性だからこその結構深い悩みがあるんですよ。
特によくあるのが、
- 園の男性用設備が不十分
- お給料が安い
- 周りが女性ばかりで気を遣う
- いいように使われたり偏見で見られたりする
- 保護者からも不信感、偏見の目で見られる
の5つです。では詳しく解説しますね。
園の男性用設備が不十分
園の男性用の設備が不十分なため、とても働きにくさを感じます。
それは、「男性用の更衣室とトイレがない」ということですね。
まあ、トイレは男女共用で使ったとしても、更衣室を共用するわけにはいきませんよね。
着替える場所がないということで、男性保育士は仕方なくトイレや倉庫の中で着替えなければなければなりません。
着替えは毎日のことなので、できればちゃんとした更衣室を設けてもらうか、あるいは、どこかの一角を更衣室らしく整えてほしいですが、余っている部屋がなければそれも難しい話です。
また、男性保育士がたった一人だと、その一人のために工事をしてまで更衣室を作ってくれるような保育園そう多くはないでしょう。
男性保育士が普通に着替えに使える場所が確保されていないと、なんだか粗末に扱われているようにも感じてしまいます。
お給料が安い
男性保育士の悩みの中で、「お給料が安い」というのも大きな悩みの一つです。
確かに、保育士の給料が安いというのは男性に限ったことではなく、女性も同様に安いということがよく知られていますよね。
ただ、男性は特に、将来結婚して家庭を持ちたいと考える時、できるだけお給料は高い方がいいですよね。
もちろん、奥さんにも働いてもらったとしても、自分の収入とあわせてそこそこ不自由なく暮らしてけるだけの給料がほしいはずです。
ですが、保育士の給料というのは、園におりる国からの運営費が大きく関わっていて、なかなか上がらないというのが現実なんです。
なので、そう考えると男性保育士も、「保育の仕事はやりがいがあるから辞めたくない」でも、「このまま安い給料で保育士やっていて大丈夫かな」と不安になってしまうんですよね。
周りが女性ばかりで気を遣う
当然ですが、今の保育園はまだまだ女性社会です。
そんな中で男性保育士が働いていこうとすると、「周りが女性ばかり」ということになり、とても気を遣う場面が多くなります。
もちろん、男性保育士であっても、女性と話すのが苦でなく、すんなりなじめてしまう人もいると思います。
ですが、「女性保育士同士の話に入りづらい」「話せる人が誰もいない」「孤立してしまう」といった悩みを抱えている男性保育士もいて、精神的にも結構ストレスを負っているんですね。
かといって、誰か一人でも話しやすい女性保育士がいて親しくなれそうだとしても、今度は変に怪しまれます。
「○○先生(男性)と△△先生(女性)ってどういう関係? 怪しいよね」なんて陰でささやかれたりして、そうなると、誰とも親しく話せませんよね。
さらに、園によっては、女性保育士同士の派閥があったりするので、そうなるともう大変です。
どっちの派閥に入るの、入らないので、本人の意思に関わらず変な人間関係に巻き込まれてしまいます。
もちろん、こんな職場ばかりではありませんが、実際にこう言った悩みで心を病んでしまう男性保育士もいるんです。
いいように使われたり偏見の目で見られたりする
男性保育士ならではの魅力はいくつもありますが、それを逆手にとっていいように使われたり、「男性保育士なのに出来ないの?」「男性保育士って、だからダメよね」などと、偏見の目で見られたりすることがあります。
たとえば、力仕事は男性保育士に頼りたい仕事ですが、男性保育士だって女性保育士と同様に他の仕事もたくさん抱えています。
それなのに、男性だからということで、すべての力仕事をあれもこれもと押し付けられることがあるんですね。
他にも、「男性保育士の仕事は雑だ」「気が利かない」と決めつける女性保育士がいます。
そうすると、たまたまうまくできなかったことにも、「だから男性って雑で困るよね」なんて嫌味を言うんですよね。
こうなってくると、まさにイジメのような状態になってしまい、精神的に大きなストレスを抱えることになってしまいます。
保護者からも不信感、偏見の目で見られる
さらに、男性保育士ということで、保護者からも不信感を持たれたり偏見の目で見られたりすることがあります。
たとえば、女児の保護者からは、「男性保育士に、着替えや排せつの介助をさせないでほしい」と園にクレームが入ったり、「担任を女性保育士と交代してほしい」などといった要望が出されることがあります。
男性保育士が入ったということで、心配のあまり保育の様子を保護者が見に来るケースもあるようです。
確かに、幼い子どもに対する男性の犯罪行為などがニュースになっている今の世の中、保護者としては心配になるのもわかります。
「自分は男性だけど、まっとうな保育士です」といくら訴えたところで、疑心暗鬼になっている保護者には通じませんからね。
でも、自分に非がないのに、男性というだけでそういった目で見られるのは悲しいですよね。
これについては、園長が保護者にしっかりと説明すべきでしょうね。
たとえば、「園長の責任で、信頼できる人物と判断して、男性保育士を雇用している」ということや、「男性保育士がいることで子どもたちにさまざまなメリットがある」といったことを保護者に丁寧に説明する必要があると思います。
それでも、どうしても理解してもらえない場合は、やむを得ず、着替えや排せつの介助から外されることもあるでしょう。
ただ、これも園によって対応が違いますし、保護者にどの程度理解してもらえるかどうかにもよるので、その間の男性保育士の立場としては、働きにくいものがありますよね。
男性保育士の悩みを解決する6つの方法
男性保育士はまだまだ少ないと言われる中で、保育に熱い志を持って園に就職したにもかかわらず、上のような重たい悩みを抱えることになってしまうのは、本当に残念なことだと思います。
もし、職場がこんな環境になってしまったらどうしたらよいのでしょうか。
そこで、ここからは、「男性保育士の悩みを解決する6つの方法」について解説していきますね。
それは、
- 自分からアピールして施設面を改善してもらう
- 雑談や相談から話すきっかけを作り人間関係を築く
- 丁寧な仕事ぶりをアピールする
- 一人で抱え込まず上司に相談する
- キャリアアップ研修で給料アップを狙う
- 転職する
といったことになります。
では、詳しく見ていきましょう。
自分からアピールして施設面を改善してもらう
もし、「更衣室がない」などの施設面で悩んでいるなら、その困り感を園長などの上司にアピールし改善してもらいましょう。
「男性保育士は自分一人だけだから…」と遠慮して何も言わないでいると、園長も、「特に問題ないんだな」ととらえてしまいます。
でも、当の本人は結構嫌な気持ちでいるはずです。
もちろん施設面の改善となると限界はあると思いますが、園長にはあなたを雇った責任があります。
あなたが少しでも快適に働けるように、環境を整えていくのは園長の役割でもあるはずです。
せめて、トイレや倉庫で着替えるのはナシにしたいですよね。
なので、我慢しないであなたの困っていることを改めて伝え、何かしらの改善策を求めましょう。
雑談や相談から話すきっかけを作り人間関係を築く
女性同士の会話に入るのは抵抗があるかもしれませんが、できそうであれば、雑談に応じたりたわいない相談をしてみたりして、話をする機会を作りましょう。
そんな何気ないやりとりによって、相手の意外な一面を知ることができると、親しみを覚えてだんだんと人間関係を築けるようになります。
お互いに相手を知らない、知ろうとしないことで、構えてしまったり思い込んだりして誤解しているのかもしれません。
なので、いくらかでも雑談ができそうな雰囲気があれば、話しかけてみたり雑談に加わったりしてみてはどうでしょうか。
話すきっかけや材料がなければ、保育や仕事のことを相談してみるというのもよいと思います。
相談されて嫌な気持ちになる人はいないと思います。
「そんなこと考えてたんだ」とか、「仕事に対してしっかりと考えを持っているんだな」などということが相手に伝われば、そこが糸口になって関係がかわるかもしれませんよ。
もちろん、相手によっては、「どうしたってよい関係を作るのはムリ」というかたくなな人もいます。
そういう場合は難しいですが、もし少しでもあなたを受け入れる余地がありそうであれば、あなたの側から相手に歩み寄って話すチャンスを作ってみてはどうでしょうか。
丁寧な仕事ぶりをアピールする
男性保育士でも、ちゃんと細かいところに目が行くし、丁寧に仕事をしていることをアピールしましょう。
アピールと言っても、言葉に出して言うのではなく、しっかりと行動で示すということです。
たとえば、一度やり方の注意を受けたら、次はきちんとできるように意識したり、自分が、「これでよし」と思うよりも一歩踏み込んで丁寧に作業をしたり、といった感じですね。
そうすると、言われたことがちゃんとできるようになるし、そのうち言われなくてもできるようになりますよね。
それに、丁寧に仕事をしようと気をつけていることも先輩保育士に伝わると思います。
先輩保育士から、「もっとよく見て動いて」「もう少し丁寧にやって」などとダメ出しされてしまうと、誰でも落ち込んでしまうものです。
ですが、それができるようになれば、あなたのスキルにもつながります。
気を取り直して、注意すべきところやうっかりしやすいことについて、より意識を向けていきましょう。
一人で抱え込まず上司に相談する
あなた一人の力では、どうにもならないほどに悩みが深くなってしまったら、一人で抱え込まず園長などの上司に相談しましょう。
特に、人間関係に悩んでいる場合、自分がいくら歩み寄って努力しても、相手のあることなのでなかなか改善しにくいです。
そんな悩みを誰にも話せずにもんもんとしていても、心が病むばかりです。いや、本当に病んでしまってからでは遅いです。
そんな風になるくらいなら、今の自分の状況を園長に伝えるべきです。
園長は、職員の抱えている問題をきちんと把握して対処する責任があるんですから、遠慮せずに相談しましょう。
「男性なのに、こんなことを相談するなんて恥ずかしい」なんて思わないでくださいね。
男性だからとか女性だからとかは関係ないです。「自分らしく働きたい」という思いは誰でも持っているものなんですから。
「保育士等キャリアアップ研修」で給料アップを狙う
「お給料が安い」と思っているのであれば、「保育士等キャリアアップ研修」を受けて給料アップを狙う方法があります。
保育士等キャリアアップ研修とは、2017年に厚生労働省によって作られた制度です。
これは、園で一定の年数を勤務したのち、スキルアップ研修を積むことによって、「職務分野別リーダー」「副主任保育士」「専門リーダー」など、それぞれの役職に就くことができ、5千円~最大4万円の手当がつく、というものです。
詳しくは、厚生労働省の、保育士のキャリアアップの仕組みの構築と処遇改善について をご覧いただけるとよくわかると思います。
ただ、園によっては研修を受けるためのお休みが取りにくい場合がありますし、もし研修を受けられたとしても、手当はまとめて園に支給され、その分配方法は園に任されているため、必ずしも4万円がもらえるとは限りません。
なので、あなたの園では保育士等キャリアアップ研修が受けられるかどうか、確認してみてくださいね。
転職する
最後の方法は、「転職する」というものです。
上の5つの方法で、あなたなりに努力しててもどうにもならないときは、転職するのがいいと思います。
それ以上、今の園でがんばっても、あなたが消耗するだけです。
今は、男性保育士を積極的に採用している園もありますから、そういった園を探して転職活動しましょう。
もし、「保育士等キャリアアップ研修」を受けさせてくれる園であれば、給料アップも見込めますよね。
とはいえ、男性保育士の求人は女性保育士の求人よりも少ないのが現実です。
やはり、「施設が不十分で男性保育士を迎えられない」「保護者の中には男性保育士に不信感を抱く人がいる」など、園にとってはさまざまな不安要素があるからです。
だからと言って、求人票に、「男性保育士は採りません」とは書けないので、表向きは、「男女問わず」としていているところがほとんどです。
ですが実際は、「女性保育士しか採るつもりはない」と考えている園があるため、結果的に男性保育士の求人は少ない、と言えるんですね。
なので、転職活動がなかなか進みにくいかもしれず、そう考えると保育士転職サイトを使って転職するのが安心かもしれませんね。
保育士転職サイトであれば、詳しい園情報が取れるので、男性保育士を歓迎してくれる園を紹介してもらって応募できますよ。
男性保育士が転職するときの4つのポイント
それでは、男性保育士が転職するとした場合の、押さえたい4つのポイントについて解説していきますね。
それは、
- すでに男性保育士がいる、または男性保育士を求めている園を探す
- プラスαのスキルを身につける
- 公立保育園の採用試験に挑戦する
- 保育園以外の施設も視野に入れる
といったことになります。
すでに男性保育士がいる、または男性保育士を求めている園を探す
すでに男性保育士が働いている園や、「男性保育士歓迎」と掲げている園をピックアップするとよいです。
やっぱり、一人でも男性保育士が働いていれば、その園は男性保育士の受け入れに積極的なわけですし、もし採用されたら同性の同僚がいるということで心強く、話もできるでしょう。
もし、男性保育士がいない園だとしても、「男性保育士歓迎」とあれば、その園は男性保育士に期待しており、あなたは望まれて採用されることになります。
ですが、あなたの方から、「男性保育士ですが、ぜひよろしくお願いします!」と、頼み込んでようやく採用してもらうのでは、あなたの方が圧倒的に不利になってしまいます。
弱い立場で採用されるよりは、望まれて採用された方がその後の居心地が違うはずです。
なので、すでに男性保育士がいる園や男性保育士を積極的に採用したい園を探して応募しましょう。
プラスαのスキルを身につける
プラスαのスキルを身につけられると、あなたならではの強みになり、転職時にアピールできますよ。
たとえば、「運動保育士」という民間資格があるんですが、それを持っていると、子どもの運動に特化した勉強を積んだ証となり、運動活動を体系立てて考えながら提供できるスキルが身につくんです。
今は、運動の講師を招いて子どもたちに指導してもらっている園も多いです。
なので、あなた自身が、運動の講師と同等のスキルを持っていたら、かなり強みになると思いますよ。
特別なスキルを持っている男性保育士だったら、園としても採用したくなるかもしれませんよね。
公立保育園の採用試験に挑戦する
公立保育園の採用試験に挑戦するというのも、アリだと思います。
公立保育園の保育士は公務員なので、いったん採用されれば、安定して雇用され続けますし、お給料も段々と上がっていきます。
ただし、公立保育園の採用試験にはさまざまなハードルがあるんです。
たとえば、競争率がとても高いため狭き門ですし、一般教養や専門分野の筆記試験があり、さらに作文や面接もあるため、その準備に多くの時間と労力がかかります。
また、採用されたとしても、その翌年度内に人員の空きがなければ、入職の権利は失われてしまい、また一からやり直しです。
詳しくは、保育士が転職するなら公立保育園?私立保育園?特徴を知って選ぼう! にも書いてありますので、よろしかったら見てみてくださいね。
もしあなたに、採用試験のための勉強に時間と労力を割く覚悟があれば、公立保育園に挑戦してみてはどうでしょうか。
保育園以外の施設も視野に入れる
転職先には、保育園以外の施設も視野に入れてみてはどうでしょうか。
- 「男性保育士であるがゆえに肩身が狭い思いをしてきた」
- 「保育園だけを探していても、なかなかいい求人が見つからない」
という方は特に、保育園以外の施設に転職するのもおススメです。
たとえば、学童保育、児童発達支援施設、放課後等デイサービスなどです。
これら3つの施設では、男性保育士(指導員と呼ばれる)も普通に働いているので、保護者や女性職員から不信感を抱かれたり肩身が狭い思いをすることはありません。
それぞれ、施設の目的は違いますが、子どもと接する仕事であることには変わりりなく、これまでの保育士のスキルも役に立ちますよ。
私も、保育園だけでなく児童発達支援施設で働いたことがあり、そのおかげで子どものとらえ方や接し方が変わりましたし、「自分自身すごく成長できたな」と思っています。
保育園ではない別の施設で働く経験は、あなたにとっても大きな財産になるはずですよ。
まとめ
男性保育士の現状について、さまざまな角度から解説してきましたが、いかがでしたか。
男性保育士には、男性であるがゆえの悩みがたくさんあるんですよね。
ただ、悩みが深くなるとどうしても視野が狭くなって、最悪、心を病んでしまうことも。
ですが、あなたの働ける場所は他にもたくさんありますよ。
ぜひせっかく男性保育士としてがんばっているのですから、新しい環境で新しいキャリアを積むことも考えてみてくださいね。
ちなみに、保育士転職サイトに相談すると、男性保育士を求めている園や、すでに男性保育士が働いている園など、あなたの知りたい情報を教えてもらえますよ。
保育士は、子どもたちの今を輝かせて未来につなげていく、とてもやりがいのある仕事です。男性保育士も女性保育士も、お互いの良いところを認め合い尊重し合って、より良い保育をしていけるといいですね。
そして、保育園には男性保育士がいるのが、当たり前の世の中になっていくことを切に願っています。