こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
保育士といえば、「昼間の仕事」というイメージかもしれませんが、実は、夜勤がある保育所があるんですよ。
夜勤と聞くと、
- 「夜寝られないなんて、やっぱり体きついよね?」
- 「実際どんな仕事してるの?」
- 「たしか、夜勤には手当がつくからお給料がいいんだよね?」
なんて、あれこれ思うのではないでしょうか。
この記事では、保育士の夜勤について興味がある方、詳しく内容が知りたい方に向けて、「保育士の夜勤」について詳しく解説します。
この記事を読めば、「夜勤の仕事内容」「夜勤をした時のお給料」「体への負担」などがわかるので、自分に夜勤が合っているのか、見えてきますよ。
目次
保育士の夜勤がある施設は?
保育士の夜勤がある保育施設って、意外にいろいろとあります。
もちろん、普通の保育園に比べて数は少ないですが、どうしても深夜働かなければならない保護者の方もいるので、そういった方たちにはなくてはならない存在なんですよね。
たとえば、自営業、接客業、医療系、公務員などの仕事で、どうしても夜間に働かなければならない保護者はいます。
そして、夜間に保育する施設としては、
- 夜間保育園
- 院内保育所
- ベビーホテル
の3つがあります。
他にも、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、なども保育士が働いていて夜勤があるんですが、ここでは、保育所に分類される、「夜間保育所」「院内保育所」「ベビーホテル」での夜勤について見ていきますね。
夜間保育園
夜間保育園(認可または認可外)は、昼間は普通の保育園です。
通常は、みんな18:00とか19:00とかにはお迎えに来ますが、それ以降の、遅い時間にお迎えが来る子ども達は残り、夜間保育になります。
ここからは子どもが少なくなるので、異年齢を合同にして保育します。
夜間保育の子どもたちは、夕食を食べたりお風呂に入ったりしてから就寝します。
宿泊せずに保護者が迎えに来て帰る子もいれば、宿泊する子もいます。
保育時間は24時間の園もあれば、「朝9:00に開園して~夜22:00閉園の11時間が基本」「それにプラスして延長もアリ」とか、とにかく園によってさまざまです。
なので、「夜間保育あり」と言っていても、開所時間は各園によりますし、宿泊をしない園もあるんです。
院内保育所
院内保育所(認可または認可外)は、看護師やドクターの子どもを預かる保育所で、同じ病院内かあるいはその近くに設置されていることが多いです。
保護者はシフト制で働いていて夜勤もあるので、院内保育所の保育士も夜勤をします。
ただ、病院の規模やシステムによって院内保育所の開所時間や夜間保育の設け方は変わってきます。
たとえば、毎日夜間保育している園もあれば、「週に何日か夜間保育する」という園もあるんですね。
院内保育所の日中の保育は、普通の小規模保育所といった感じで、日中も異年齢児を混合で保育をするところが多いです。
そして、保護者がシフト制で働いているので、子ども一人ひとりの保育時間が違い、日々預かる子どもの顔触れが違うことがあります。
夕方以降の子どもたちの過ごし方は、施設にもよりますが、先ほどの夜間保育園とほぼ同じです。
ベビーホテル
ベビーホテル(認可外)は、
- 20:00以降の保育を行う
- 宿泊を伴う保育をする
- 一時預かりの子どもが利用児のの半数以上を占めている
といった3つの条件のうち一つを満たしている認可外保育施設のことをいいます。
なので、24時間保育をしているベビーホテルは全体の22%にとどまっています。
つまり、ベビーホテルという名称でも深夜の保育をしていない施設もあるんですよ。
夕方以降の子どもたちの過ごし方は、施設にもよりますが、先ほどの夜間保育園とほぼ同じです。
夜勤の保育スケジュール
それでは、夜勤の仕事と保育スケジュールについて詳しく見ていきましょう。
17:00 出勤
19:00 入浴
20:00 寝かしつけ
21:00 就寝
*子どもの見守り、呼吸チェック、日誌、月案、週案、製作、行事準備、その他書類作成、掃除などをします。
*この間に2時間休憩(仮眠)を取ります。
7:00 起床
7:30 朝食、歯磨き
8:00 ミーティング、申し送り
9:00 退勤
これはあくまでも一例です。
出勤時間や退勤時間は園によって違い、いくらか前後する場合もあります。
また、入浴がない園もあり、そうするとその分活動時間が増えるので、保育士主導で何らかの設定遊びをすることがあります。
21:00ごろには宿泊しない子もみんなと一緒に就寝していますが、保護者が迎えに来た時点で起こして、あるいは寝たまま保護者が抱っこして連れて帰る形になります。
「お迎えラッシュが深夜の2:00」なんてこともあるそうですよ。
夜勤の仕事内容~日勤との違いは?
ここからは、夜勤の仕事内容について詳しくお伝えします。
まず、日勤と夜勤の違いってどんなところなんでしょうか。
日勤は普通の昼間の保育園の状態を思い出してもらえればいいです。
つまり、子どもたちも保育士もたくさんいてにぎやかで、かなり活動的ですよね。
散歩に出かけたり、園庭で思いっきり遊んだり、行事の練習をしたり。
ですが、夜勤の場合は子どもの人数が少ないので、保育士もそれに見合った少人数で保育します。
そして、異年齢児が混合で過ごすことが多いです。
また、就寝に向かって過ごすので、少しのんびりした、たとえば家にいるような感じですかね。
夕方~深夜~朝にかけての保育なので、体を活発に動かす遊びや活動はないです。
やることといえば、夕食を食べさせ、お風呂やシャワーをして、就寝時間に合わせて寝かしつける、といったことです。
寝るまでの間に遊ぶこともありますが、その場合は部屋で好きな玩具で自由に遊んだり、寝る前に保育士の絵本の読み聞かせがあったりする感じですね。
子どもの人数が少ないく、一人ひとりが好きな玩具を好きなように使えるので、あまりケンカすることもなくて、結構穏やかに過ごせます。
子どもたちを寝かしつけた後は、子どもたちの呼吸チェックをしながら見守りをしたり、夜泣きする子に付いてあげたりします。
また、見守りしながら、日誌、掃除、月案、週案づくり、製作の下準備、行事の準備など、さまざまな仕事をします。
つまり、「この時間があることで、持ち帰り仕事をしなくて済む」というふうに考えることもできるんですよね。
そして、その間にお迎えの保護者が来たら、子どもを引き渡しすることもあります。
なお、保育士にも2時間ほどの仮眠時間が設けられている場合があり、そうすると交代で仮眠を取ることもあります。
そんなこんなで朝になると、6:00ぐらいから子どもたちを起こす準備をします。
7:00ごろに子どもたちを起こして着替え、排せつの介助をしたら、朝食になります。
朝食後、ミーティングや申し送りがあればそれに参加し、退勤となります。
夜勤をした時のお給料は?
では、夜勤をした時のお給料ってどうなっているんでしょうか。
労働基準法では、22:00~5:00の深夜勤務には、「深夜割増賃金」を支払わなければならないことになっているんですね。
それは、「日中の賃金の25%以上増し」と決められているんです。
これは法律で決められているものなので、ちゃんともらえるはずなんですよね。
たとえば、基本給を時給換算して1時間1,000円だった人の場合、250円アップの1,250円になるということです。
そして、22:00~5:00の7時間の夜勤を1回したとしたら、「250円×7時間=1,750円」の割増がもらえるということです。
その夜勤を月に4回したとしたら、「1,750円×4回=7,000円」が、その月の深夜割増分となりますね。
さらに、園によっては、「夜勤手当」が出る場合もあります。
夜勤手当は義務ではなく、園の任意によるものなので、出ない園と出る園があります。
金額は園によって違っていて、夜勤1回につき6,000円~8,000円くらいまで幅があります。
もし、月に4回の夜勤をして1回につき6,000円の夜勤手当をもらえるとしたら、「6000円×4回=24,000円」の夜勤手当がもらえるということですね。
つまり、先ほどの深夜割増賃金+夜勤手当で、「7,000円+24,000円=31,000円」が加算されることになるんですね。
これは、結構大きい金額ですよね。
ちなみにこちらの求人は、平日の夜勤1回につき9,000円、日曜祝日では10,000円の手当がつくそうですよ。↓
けっこう高い金額がもらえますね。
ただ、この金額が、「夜勤の負担に見合うかどうか」は、人それぞれの受け止め方によって違うかもしれません。
夜勤のメリット
それでは、夜勤のメリットを洗い出してみましょう。それは、
- まとまった自由時間が取れて好きなことに使える
- 給料が高くなる
- 家庭的な保育ができる
- 保護者に感謝されやりがいを感じられる
の4つになります。
まず、「まとまった自由時間が取れて好きなことに使える」ということですね。
どういうことかというと、たとえば、1日目は夜勤で、夕方の17:00から勤務に入ったとします。
それで翌日(2日目)の朝9:00には勤務終了ですね。
その後の時間は1日自由に過ごせます。
まっすぐ家に帰ってすぐに寝たとしても、その日のうちの夕方には起きて、夜の時間に好きなことができますよね。
さらに、その次の日(3日目)は、まるまるお休みになります。
というわけで、まとまった時間が取れて好きなことに使えるんですね。
ただ、この3日目のお休みというのは、園によってはないことがあるので、注意が必要です。
次に、「給料が高くなる」というメリットがりますね。
これは、先ほど上で解説した通りです。
ただ、夜勤手当については、園によってあったりなかったり、金額もさまざまなので要チェックですね。
続いて、「家庭的な保育ができる」というメリットがありますね。
夜勤は、昼間のように大人数の子どもたちを相手に保育するのではなく、少人数の子どもたちに対して、「夕食を食べ、入浴をし、部屋でゆったりと過ごして時間になったら就寝する」という保育になるからです。
日中の保育に比べて、ゆったりとした家庭的な保育ができるんですよね。
確かに、通常ならこの時間帯は、おうちで家族と一緒に夕ご飯を食べたりお風呂に入ったりして、子どもたちはのんびり過ごしているはずです。
ですから、たとえ保育園に預けられているとしても、家にいるようなゆったりした雰囲気で過ごせるようにしてあげるのが保育士としての務めですよね。
園にいる時間が長いからこそ、一人ひとりが安心して過ごせるような環境を作ることが大事なんです。
そして最後ですが、「保護者に感謝されやりがいを感じる」といったメリットがあります。
深夜にどうしても仕事に行かなければならない中で、わが子を預かって面倒を見てくれる園や保育士には、保護者の方は本当に感謝しているんです。
だって、深夜に働きに出るなんていうのは、親であれば誰でも避けたいはずです。
特にわが子がまだ乳幼児でかわいい盛りであれば、ゆったり向き合う家族の時間を過ごしたいはずなんです。
でも、仕事の種類によってはどうしてもそれができないことがあります。
その仕事も誰かがやらなければならない、そして社会から必要とされている仕事なんですよね。
そんな複雑な思いを抱えている保護者にとって、夜間預かってくれる園があって、いつも自分たちを受け止めてくれる保育士がいればこそ、前を向いて仕事ができるんです。
こんなふうに思ってもらえたら、保育士としてもうれしいですし、やりがいがありますよね。
きっとそういうところにやりがいを感じられるからこそ、夜勤をがんばれるんでしょうね。
夜勤のデメリット
続いて、夜勤のデメリットについてお伝えしますね。
それは、
- 勤務時間が長い
- 生活リズムが不規則でキツイ
- 一晩中預かるという責任感、緊張感がある
- 保育士のスキルが身につかない
といったものになります。
まず1つ目のデメリットは、「拘束時間が長い」ということですね。
たとえば、夜勤が夕方の17:00から始まって、次の日の朝9:00に勤務終了だとします。
そうすると勤務時間は16時間です。
これは確かに長いですよね。
特に、夜中は子どもたちも眠っているので、子どもと一緒に遊ぶこともなく、しずかーな時間がゆっくりと過ぎていきます。
もちろん、この間には書類仕事や清掃や子どもの呼吸チェックなどやることはいろいろとあるんですが、「それにしても長いな~」と思ってつらくなる保育士の方は多いんです。
2つ目は、「生活リズムが不規則でキツイ」ということですね。
通常なら寝ている時間帯にずっと起きていて働くのですから、それはどうやったってキツイです。
もちろん、夜勤明けには睡眠を取れますし、さらにその翌日は休日になりますが、夜勤のたびに生活リズムが変わるというのは、体的にはタイヘンです。
「もともと夜に強い」とか「睡眠時間が短くても大丈夫なタイプ」というならいいのかもしれません。
ですが、そうでない人にとっては、結構つらいかもしれませんね。
3つ目は、「一晩中預かるという責任感、緊張感がある」ということですね。
眠っているとはいえ、夕方から深夜、そして朝にかけての長時間にわたって子どもを預かるということは、ある程度気を張り続ける必要があります。
特に、乳児の場合は「乳幼児突然死症候群」などもあったりして、元気だった子が睡眠中に急死するといったことがあります。
幼児だって、「急な発熱で熱性けいれんを起こす」といったことがないとは言い切れません。
だから、夜中の子どもの呼吸チェックや見守りは欠かせないわけなんですが、そうすると、「子どもたちが眠っているから夜勤は楽」ということではないんですよね。
むしろ、「昼間より保育士の数は少ないし何かあったら責任問題だし、夜勤は緊張する」と思っている保育士もいるんですよね。
4つ目は、「保育士のスキルが身につかない」ということです。
これは、もうちょっと絞って言うと、「一斉保育のスキルが身につきにくい」ということですね。
確かに、夜勤では子どもは少なく、そして一斉活動することが少ないので、大勢の子どもたちを引っ張っていくようなスキルは身につきにくいかもしれません。
ただ、保育士として最も大事な、「一人ひとりの子どもの気持ちに寄り添う」という経験はしっかり積めると思います。
これは、大集団の子どもたちに対しても必要なことで、これができれば、大勢の子どもたちをまとめていくことができます。
なので、確かに経験としては少なくなってしまいますが、「保育士としてダメ」ということではないので、安心してくださいね。
夜勤を通して、子ども一人ひとりに丁寧に向き合い信頼関係を作る保育を目指して、スキルアップしていきましょう。
まとめ
保育士の夜勤について、おわかりいただけましたか?
この記事で解説したように、保育士の夜勤は、日勤に比べてやや特殊ではあります。
また、生活リズムが不規則になりやすいため、「体力的にどうかな?」と不安に思うかもしれませんね。
ですが、勤務自体はとくに難しいことを求められるというわけではないので、そこは心配しなくても大丈夫ですよ。
また、夜勤をすることでいくつかのメリットもありますし、それがあなたの希望する生活スタイルと合っていれば、夜勤がある保育施設を転職先の候補にしてもいいかもしれないですね。
深夜働く保護者にとって、また子どもたちにとっても、夜間保育はなくてはならないものです。
それだけに、通常の保育園とは違ったやりがいが感じられるはず。
自分が働いたらどんな生活になるのか想像しながら、メリットとデメリット両方を見てじっくり検討してみてくださいね。