こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
面接は、保育士の方の転職活動の中で、最も緊張する重要な場面です。
採用か不採用かが決まる大切な場ですから、緊張感が高まるのも当然ですが、できるだけ落ち着いて自分の力を出し切りたいですよね。
そのためにも、面接にふさわしい身だしなみを整えて、マナーを守った好印象な振る舞いをしたいもの。
そこで今回は、「保育士の面接にふさわしい基本の服装や身だしなみ」と「面接時に気をつけたいマナー」について、詳しく解説します。
私も30年間あまり保育士経験があり、その中で転職の面接に臨んだこともあったし、私の働いている園に面接に来た保育士のことも何人も見てきました。
この記事を読めば、面接の場にふさわしい服装が準備できて、気をつけたいマナーもバッチリ頭に入るので、余裕な気持ちで当日を迎えられますよ。
あなたらしさをしっかりと伝えられる悔いのない面接にしましょうね。
目次
面接の基本的な服装と身だしなみとは?
面接において、第一印象はとても大切で、それは服装や身だしなみによっても左右されるんですよね。
よくチェックされるのは、
- 服装
- 靴
- 髪型
- メイク、爪、アクセサリー
- バッグ
などですね。たとえば、下の図のような感じです。↓
第一印象が良ければその後の面接もうまく進みやすいですし、悪いとその印象を挽回するのは意外に難しいんですよね。
なので、面接担当者の第一印象を少しでもよくするために、できる限りの準備をしましょう。
では、以下に一つずつ詳しく解説していきますね。
服装
面接の服装の基本はスーツです。
スカートでもパンツスーツでも大丈夫です。
スーツの色は黒かグレー、紺などで、中のシャツは白が基本ですが、清潔感のあるごく薄いピンクや水色ならば許容範囲です。
スカートの場合はひざの中心が隠れるくらいまでの丈があるものにしましょう。
そして、アイロンをしっかりとかけてシワを伸ばし、クリーニングのタグや仕付け糸などが付いたままになっていないかも、確認しましょうね。
中には、「一般企業への転職ではないのだから、もっと気楽な服装でもいいのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、それは違います。
相手に敬意を払う意味を込めて、きちんとしたスーツ姿で面接に臨むのが常識です。
たとえば、逆の立場で考えてみればわかると思います。
あなたが採用側の立場だったとき、あなたに会うために、きちんとしたスーツ姿で面接に来る人と、ラフな普段着で来る人と、どちらの方に誠実さを感じるでしょうか。
私は普段それほど堅苦しい人間ではないんですが、そんな私でさえも転職の面接に普段着でくる保育士がいたら、ちょっと人間性を疑ってしまいますね。
あなたを全く知らない相手(園長)に好印象を持ってほしいのなら、やはり服装を整えることで相手に対する誠意を見せるべきだと思うんですよね。
万が一、園側から「スーツでなくて普段着でもいいですよ」と言われた場合でも、それを真に受けてTシャツやGパンなどで行ってはいけませんよ。
せめてシャツまたはブラウス、そしてジャケットは必須です。
なので、この際ですからスーツを持っていないのであれば、一着購入しておくといいです。
保育園では毎年卒園式があって、そこではフォーマルな服装をする機会もあるので、決して無駄ではありませんよ。
もちろん高級ブランドである必要はなく、スーツを専門に扱っている量販店のもので十分です。
ここでケチって適当な普段着で済ませたことで、大事な面接に落ちたとしたらその方がもったいないですよね。
服装については手を抜かずにきちんと準備してくださいね。
ちなみに、寒い季節のときはコートなどを着ると思いますが、これも黒やグレー、紺などの落ち着いた色合いのものがいいでしょう。
靴
色は黒いパンプスがよいでしょう。これも、先ほどのスーツと同じで、オーソドックスな飾りのない黒いパンプスを一つ持っていれば、今後も何かと使えます。
このパンプスは、いつも私がフォーマルな服装のときに合わせて履いているものです。シンプルなデザインなので、結構重宝しています。
ケチって普段の靴を使いまわしたり、おしゃれする時のためのピンヒールを履いたりするのはおすすめしません。
スーツを着たときに履く一足として、備えておいても損はないですよ。
また、履く前には汚れがついていないかどうか確認し、きちんと磨いておきましょうね。
なぜなら、保育園の園長や副園長は細かいところに目が行く人が多いです。
おろそかになりやすい足元をチェックする人もいるはずですからね。
髪型
髪が長い場合は結わいてすっきりとさせましょう。
染めていてもかまいませんが、派手な色は避けましょう。
また、前髪が長すぎるとうっとおしい印象を与えますし、耳にかけた前髪がすぐに落ちて頻繁にかけ直す仕草も、面接担当者には気になります。
保護者の目もあるため、園としては保育士にきちんとした清潔感のある格好を求めがちです。
面接にはスッキリとした髪形で臨み、あなたがちゃんとわきまえた人だということをアピールしましょう。
メイク、爪、アクセサリーなど
自然体がいいからと言って、ノーメイクではいけません。
派手過ぎない、ナチュラルメイクで落ち着いた印象に仕上げましょう。
爪は短く切っておき、マニキュアは避けましょう。また、派手なアクセサリーも控えます。香水も付ける必要はありません。
バッグ
A4サイズの書類を折らずに入れられるバッグがよいでしょう。
ブランドもののロゴが大きくあしらってあるものは避けて、スーツと相性の良いシンプルなものがよいです。
黒いバッグであれば、わりとどんな服装にも合うので使い勝手は良いはずです。
普段ラフな格好が多い方は、このようなカバンはあまり出番がないかもしれませんが、一つ持っているとフォーマルな場面で使うことができますよ。
高価なものでなくてもいいので、この機会に購入しておきましょう。
面接前日に準備しておくこと
それでは、面接の前日に準備しておくべきことを説明します。それは以下の3つになります。
- 履歴書や職務経歴書を読み直す
- 園までの行き方、場所を詳しく確認する
- 持ち物を確認する
「もう前に確認したし、頭に入っているから大丈夫」と思っていても、うっかりと記憶違いをしていたり、未確認であることに気づいたりする場合があります。
前日にしっかりとおさらいし、万全にしておきましょうね。
履歴書や職務経歴書を読み直す
面接当日に、履歴書や職務経歴書を持参する方も、すでに郵送している方も、手元に同じ履歴書、職務経歴書を用意し、目を通しておきましょう。
面接担当者は、あなたの履歴書や職務経歴書を見ながら質問をするからです。
自分の書いたことを改めて読み直し、予想される質問とその答えをおさらいしておきましょう。
そうすることで、当日の面接で答えに戸惑うことなく、自分の思いをしっかりと伝えることができますよ。
特に、「退職理由」「志望動機」「自己PR」などは、ほぼ必ず質問されます。
その時の答えは、履歴書や職務経歴書の内容と一致していなければ、おかしなことになります。
「書いてあることと、言っていることが違う」などと思われることのないよう、統一性のある回答を準備しておきましょうね。
園までの行き方、場所を詳しく確認する
園の最寄り駅や使う路線について確認し、どのくらいの時間がかかるかを調べておきましょう。
また、最寄り駅から園までの道のりも確認しておきます。
スマホがあれば簡単に路線も道のりもわかるので、「前日にわざわざ見る必要はない」と思う方がいるのですが、それは良くありません。
タカをくくらず、些細なことでもしっかりと事前準備をしてイメージを持っておくことが大切です。
できれば、応募先の園には面接前に一度下見に行ってみるのがおすすめです。
下見ならば、迷っても時間がかかってもよいので、リラックスして現地に向かうことができます。
乗る路線の混み方、乗り換え方、駅の出口の位置、園までの道のりなど、すべてを実地で把握できます。
そして、一度下見をしたというだけで、面接当日の気持ちのゆとりは全く変わってくるんですよ。
そのゆとりを面接に活かせれば、よりあなたの力が発揮できはずですよ。
持ち物確認をする
最後に、持ち物がそろっているか最終確認します。
園によって必要な持ち物は違いますが、おおむね下記のようなものになると思います。
□ 職務経歴書
□ 筆記用具
□ 保育士証
□ 実習に必要なもの
□ その他、園から指定されているもの
鞄の中に、必要なものがきちんと入っているかを確認しましょう。
「後で鞄に入れようと思っていたのに忘れた」「直前に鞄から取り出していて、入れ直すのを忘れた」などのことがないように、念入りにチェックしましてくださいね。
面接で見られているポイントと気をつけたいマナーは?
ここからは、面接当日の流れを追いながら、あなたが見られているポイントや気をつけたいマナーについてお伝えします。
以下の面接の流れに沿って、具体的に見ていきましょう。
- 遅刻厳禁! 時間に余裕を持って家を出る
- 最寄り駅についたところから気を引き締めて行動する
- 挨拶をして着席を促されてから座る
- 質問にはポジティブな言葉で答える
- 相手の目を見て、話の内容に合わせて表情豊かに話す
- こちらからも質問をする
- 面接のお礼の言葉を述べる
1 遅刻厳禁! 時間に余裕を持って家を出る
面接の当日、遅刻は厳禁です。「ちょっと早いかな」と思うくらいの余裕を見て家を出ます。
かと言って、約束時間の15分以上も前に到着してしまうのでは早すぎて、返って園には迷惑です。
なので、最寄り駅に早めに着いて、少し時間をつぶして調整し、10~5分前に園に到着するようにしましょう。
万が一、遅刻してしまいそうなときは、早めに園に電話を入れます。
その場合、遅刻がその後の面接に悪影響を与える可能性があることは覚悟してください。
もちろん、当日になって急な面接日の変更は失礼にあたります。
よほどの理由があったとしても、その時点であなたへの信用はなくなり、園側から面接の中止を言い渡される可能性もあります。
体調など、やむを得ない理由だとしても、「大切な日に合わせて体調管理ができない人」と思われてしまいます。
園側の配慮で別の日に変更して面接してもらえることになったとしても、それは大きなマイナスポイントになってしまうかもしれません。
2 最寄り駅についたところから気を引き締めて行動する
最寄り駅を降り園に向かう道中から気を引き締めて、自分の振る舞いに気を配りましょう。
あなたが面接に向かう時間帯に、その園の遅番の保育士などが同じ最寄り駅を利用しているかもしれませんよね。
どこで誰があなたを見ているかわからないため、油断は禁物なんです。
園舎の前に到着しインターホンを押し、あなたが名乗るところから面接はスタートします。
この時点でコートを着ていたら、脱いで片手に持っておきましょう。
そして、出迎えてくれる園の職員が誰であっても、明るく笑顔で名乗り挨拶をします。
靴を脱いで園舎内に上がる時には、自分で靴の向きを変えて、玄関の端にそろえて置くことを忘れないでくださいね。
園舎内に案内されている間には、すれ違うすべての職員の方に、笑顔で挨拶をしましょう。
3 挨拶をして、着席を促されたら座る
面接担当者が待つ部屋に通されたら、「本日は、お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。○○○と申します。どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶をします。
そして、面接担当者に、「どうぞ」と着席を促されてから椅子に座ります。
逆に、あなたが座って待っている部屋に面接担当者が入ってきた場合は、一度席を立って、先と同様な挨拶をします。
そして、着席を促されてから座りましょう。
4 質問にはポジティブな言葉で答える
いよいよ面接の質疑応答に入ります。必ず聞かれると言っていいのが「退職理由」「志望動機」「自己PR」の3点です。
これらの答え方のコツは、
- 「たとえ本当のことでもネガティブなことは言わない」
- 「必ずポジティブな内容に変えて話す」
の2点です。
間違っても、
- 「前の園ではお給料が安くて…」
- 「人間関係が悪く、とても耐えられなくて…」
- 「園長先生と考え方が合わなかったので…」
なんていう、園が理由の不満や愚痴を話してダメですよ。
面接担当者も、「辞めたいほどの理由があるから、こうして面接に来ているのだろう」とわかってはいるんです。
でも、あからさまに、「園が悪い」と言う理由を面接の場で言ってしまうようでは、あなたの常識や人間性が疑われてしまいます。
「何かトラブルが起こったら、うちの園のせいにしてまた辞めてしまうのだろう」なんて面接担当者に思われて、採用が遠のいてしまいます。
なので、話す内容はとにかく前向きにポジティブな言葉を使うことが大切なんですよね。
「仕事への意欲があるな」「勉強熱心で向上心があるな」「先々のキャリアまで考えているのだな」などと面接担当者に思わせるような言葉で伝えましょうね。
5 相手の目を見て、話の内容に合わせ表情豊かに話す
面接担当者は、答えの内容だけでなく、あなたの話し方、言葉づかい、話の聞き方について観察しています。
あなたのかもし出す雰囲気から、「一緒に仕事をしてみたいと思える人かどうか」を見ているんですね。
また、保育園では保護者対応にとても神経を使っています。
それだけに、あなたの話し方、聞き方などの、「見た目の印象度」は重要です。
園は、保護者と良い関係を築ける保育士を求めているのでなおさらです。
たとえば、
- 「笑顔でハキハキと答えているか」
- 「相手の目を見て話しているか」
- 「早口で一方的でないか」
- 「敬語や謙譲語が適切に使えているか」
- 「謙虚な姿勢があるか」
などは、基本的にチェックしていますよ。
さらに、話の内容によって表情を使い分けて話すことも大切です。
たとえば、笑顔は大切ですが、まじめな話のときにも笑っていては、面接担当者から不審に思われてしまいます。
また、
- 「話を聞く時には相手の言葉を遮らない」
- 「相手の目を見てうなずきながら、また相づちを打ちながら聞く」
- 「わからないときは素直に、『勉強不足で申し訳ありません』と言えるか」
なんていうことも見られているんです。
他にも、必要に応じて面接担当者の話をメモする姿勢を見せると、積極的な印象になります。
面接担当者の目にも、「一緒に仕事をしてみたい人物」と映るはずですよ。
6 こちらからも逆質問をする
「最後に、何か質問はありますか?」と尋ねられる場合があります。いわゆる、「逆質問」ですね。
何もない場合は無理をして質問する必要はありませんが、もし聞いておきたいことがあれば、この時間に質問しましょう。
気の利いた質問ができれば、「うちの園をよく調べているな」「本当にうちの園で働きたいんだな」ということが伝わり、あなたの評価が上がります。
しかし、調べればわかること(求人やホームページに書いてあることなど)を質問すると、勉強不足と思われて逆効果となってしまうので、気をつけましょうね。
また、質問してよいからと言って、この時に給料や残業のことをあれこれと聞くのもタブーです。
そうすると、条件だけにこだわっている人と思われ、「本当にうちの園で働きたいの?」と意欲を疑われてしまいます。
なので、質問の内容には注意を払い、よくよく考えてから質問するようにしましょう。
ちなみに、私なりに逆質問の例を3つ考えてみましたので、よかったら参考にしてくださいね。
【例1】
「貴園では、縦割り保育を取り入れていらっしゃると伺いましたが、年齢別で活動することはありますか? あるとしたら、どのようなことをされていますか?」
【例2】
「発表会で、子どもたちは和太鼓を披露されていますが、実際に指導するのは和太鼓の講師の方でしょうか?それとも保育士の先生方がすべて指導されているのでしょうか? また、和太鼓の研修などがあるのでしょうか?」
【例3】
「発達障害のお子さんがいた場合、介助の先生(加算)が付くことはありますか? また、発達障害の専門機関からのアドバイスを受けるシステムなどはありますか?」
7 面接のお礼の言葉を述べる
質疑応答が終了したら、起立して、「本日はお忙しいところお時間を取っていただきありがとうございました」とお礼を言いましょう。
この一言があると、あなたの謙虚な人柄が伝わり、グンと印象がよくなりますよ。
玄関先まで送っていただいたとき、「どうぞ、コートを着てください」と言われたら着てもいいですが、基本コートは園の門を出て、外で着るものです。
なので、何も言われないのに園内でサッサとコートを着ることのないように、気をつけてくださいね。
玄関先で靴を履いたら振り返って再度一礼し、「ありがとうございました。失礼いたします」と最後の挨拶をしましょう。
まとめ
面接では、短い時間の中であなた自身を知ってもらい、さらに好印象を持ってもらいたいですよね。
そのためにも、面接のマナーを守り、身だしなみをしっかりと整えて、第一印象をクリアしましょう。
さらに面接の流れも頭に入れておき、笑顔で余裕の対応を目指しましょうね。
でも、「好印象な話し方ができるかどうか不安」「自分では気づかない癖を知って直したい」なんて思う保育士の方もいますよね。
そんなときは、保育士転職サイトを使って、キャリアコンサルタントのアドバイスをもらうといいです。
転職のプロが持つ面接のテクニックを教えてもらい、模擬面接をしてもらうこともできるので、対策が万全にできますよ。
面接では、素晴らしい話や難しい話をする必要はなく、常識的で誠実なあなたの人柄が伝わることが大切です。
面接への準備がしっかりとできれば、おのずと緊張もやわらぎますよ。
面接を成功させ内定を勝ち取り、あなたが希望の園で働ける日が1日でも早く来ることを祈っています。