こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
保育士の方の転職活動で、最も大きな山場といえるのが「面接」ですね。
面接では、あなたの人柄や意欲を存分にアピールしたいところですが、いざ本番を迎えるとなると、
- 「どんなことを聞かれるのかな…」
- 「どう答えれば好印象になるんだろう」
- 「聞かれたことにスラスラと答えられるか自信がない…」
なんて不安があれこれ出てきますよね。
そこで今回は、「保育士が面接でよく聞かれる質問」と、「現役保育士である私が考えたリアルな回答例文」を紹介します。
私自身、転職したことがあるのと、30年余り保育士として働いてきた経験があります。
なので、保育園側が求める保育士像とか人柄って、どんなものなのかよーくわかるんですよね。
この記事を読めば、面接担当者の質問の意図がわかり、よくある質問への答えがバッチリ準備できますよ。
あなた自身の回答の参考にしてもらえたらうれしいです。
目次
面接担当者があなたを見るポイントは?
面接は、園側にとって、あなたという人物を直接見極める大切な場です。
そこで、面接担当者があなたを見るポイントとしては、以下の4つがあります。
- 誠実に、そして意欲的に働いてくれそうな人か
- 園に定着して働いてくれそうか
- 協調性を持って働ける人か
- 求める経歴や保育スキルがあるか
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきますね。
誠実に、そして意欲的に働いてくれそうな人か
まず、「誠実に、そして意欲的に働いてくれそうな人かどうか」ということは大事なポイントです。
これは、社会人ならどんな職場でも求められることですが、特に保育士は、子どもや保護者など、人に対する仕事です。
だから余計に、こういった人材が必要なんですよね。
採用する園側だって、同じお給料を払うなら、「誠意のある人」「意欲のある人」に来てほしいはず。
なので、面接担当者は、あなたの受け答えの様子から、「誠実さ」とか、「保育士という仕事への意欲や熱意」を見ているんですね。
園に定着して長く働いてくれそうか
やっと保育士を補充したのにすぐに辞められてしまうと、現場はふたたび混乱しちゃいます。
今いる職員にも、大きな負担をかけることになるし、子ども達や保護者への影響もあります。
採用した保育士がすぐに辞めてしまったりしたら、園の評判にも影響してきますからね。
だから、「あなたが長く働いてくれそうな人かどうか」というのは大事なチェックポイントなんです。
協調性を持って働ける人か
今いる職員とも早くなじんで、適切なコミュニケーションが取れるような人なら、職場の雰囲気もよくなるし、ぜひ来てほしいですよね。
でも、中には前の園のやり方にこだわったり、自分の保育観を前面に押し出したりする人もいます。
新しい園のやり方を受け入れられない人もいるんですよ。
たとえば、「前の園はこうではなかった」「私はこうやってきた」なんて感じですね。
こういう人は、今いる職員たちとうまくやっていくことは難しいです。
なので面接担当者は、「協調性」に注目するんですね。
求める経歴や保育スキルがあるか
これがない保育士を雇ってしまうと、お互いにミスマッチで不満を抱えることになってしまいますからね。
たとえば、
- 認可保育園での勤務経験
- 3~5歳児の幼児クラスを担任した経験
- ピアノで簡単な子どもの曲ならすぐに弾ける
- パソコンでの文書作成が手早くできる
といったことを求めている場合があります。
なので、面接を通してあなたの経歴や保育スキルを知って、「うちが求める経歴やスキルと合ってるか」を見るんです。
【面接でよく聞かれる】10の質問と回答例&答え方のコツ
面接担当者が、あなたのどこをどう見ているかがわかってきました。
そこで、ここからは面接でよく聞かれる10の質問の回答例と答え方のコツを挙げていきます。
その質問というのは、以下の10個です。
- Q1「自己紹介をしてください」
- Q2「なぜ、保育士という仕事につこうと思ったのですか?」
- Q3「前の職場を辞めた理由を聞かせてください」
- Q4「なぜうちの園に応募したのですか?」
- Q5「保育の仕事で大変だったこと(または、嬉しかったこと、やりがいを感じたこと)は?」
- Q6「保育士の仕事において最も重要なことは何だと思いますか?」
- Q7「保護者対応で大切なことは何だと思いますか?」
- Q8「もし、クレームをつける保護者がいたらどう対処しますか?」
- Q9「あなたの長所と短所は何ですか?」
- Q10「他に応募している園がありますか?」
確かに、よく聞かれそうなことばかりですよね。
でも、いざ面接で答えるとなると、なかなかスラスラとは答えにくいもの。
答え方にもコツがあるので、やっぱり準備が必要ですね。
以下の回答例は、私の経験をもとにして作ったものなんですが、どれか一つでもお役に立てたらうれしいです。
実際には、あなたの状況に合った回答にアレンジして使ってくださいね。
Q1「自己紹介をしてください」
まず、始めによくされる質問です。
あなたのこれまでの経歴や、何を大切にして保育士をしてきたのかについて、簡潔に言えるといいです。
回答例:
『私は、専門学校を卒業して、初めて勤めた保育園では2年間、2園目が今の園で、今年で3年目になります。
これまで、私は子ども一人ひとりに丁寧に向き合う保育を心がけて、勤めてまいりました。
また、自分自身運動が好きなので、子どもたちが十分に体を動かして活動できる遊びを、保育の中に取り入れるよう心がけてきました。
貴園でもこの経験を生かした保育ができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします』
Q2「なぜ、保育士という仕事につこうと思ったのですか?」
これは、「あなたが保育士になろうと思った原点を知りたい」という質問ですね。
なので、あなたが保育士になろうと思ったきっかけや、保育士という仕事に就いてから抱いた思いについて話しましょう。
当然ですが、「子どもが好きだから」という理由だけでは、面接担当者には物足りません。
それ以上に、日ごろから感じている保育士のやりがいや、あなたの経験からくる思いなどをつけ加えてみてくださいね。
保育士という仕事への熱意が伝わるように話しましょうね。
回答例:
『私は、子どものころから、年下の子の面倒を見ることが得意でした。
なので、保育士になるのが自分の夢であり、それが実現できたことをとても嬉しく思っています。
もちろん、夢ではなく現実に仕事として保育に携わってみると、大変責任が重く難しい仕事であることを痛感しています。
それと同時に、子どもたちが遊びに熱中したり、何かを発見して目を輝かせたりしている姿を見ると、保育士のやりがいや喜びも強く感じます。
なので、今後も子どもの意欲と笑顔を引き出すような保育を目指して、子どもたちのために働きたいと思っております』
Q3「前の職場を辞めた理由を聞かせてください」
退職理由は、必ず聞かれる質問です。
この答えの内容によって、あなたの印象は大きく左右されますよ。
そのため、答える内容をよく考えておく必要があるんです。
たとえば、本音としては、「給料が安すぎる」「残業が多い」「人間関係が悪かった」「保育方針が合わなかった」が理由だと思います。
もちろん、面接担当者も内心は、「辞めるほどの不満や理由があったんだろうな」と察しています。
ですが、そういった理由をストレートに言うのはNGですよ。
なぜなら、「辞めたのは園が悪いから」といった話しぶりの応募者に、面接担当者は良い印象を持ちません。
「いずれは、うちの園のことも悪く言って辞めるんじゃ?」なんて、思ってしまうんですね。
それよりも、あなたの今後の展望や、転職先の園での仕事に向けた意欲など、前向きな理由がいいです。
なので、どんなに本音の理由があったとしても、面接で話すのはポジティブな理由にしましょう。
私も転職したときには、前の職場のことを悪く言わないように注意していました
なので、たとえば、
- 「これまでの経験を活かしながら、新たな園で保育士としてのスキルを磨きたいと思ったから」
- 「一人ひとりにていねいに関われる小規模園で、0~2歳児の保育に携わりたいと思ったから」
など、キャリアアップを踏まえた前向きな理由にすると、良い印象を持ってもらえますよ。
回答例:
『前の園でも、保育やその他さまざまな仕事を通して、たくさん勉強をさせていただき感謝しております。
ただ、私はひとつの園だけでキャリアを積むよりも、他の園のやり方や新しい保育観を自分に取り込んで、視野を広げることもしていきたい思いました。
前の園は、英語やリトミックなどの保育プログラムに力を入れている園でしたが、貴園は異年齢児保育で子ども同士の交流を重んじた保育をされています。
そのような保育にも携わり、自分の経験の幅を広げたいと思いました。
そして、これまでの自分の保育経験で活かせることがあればお役に立ちたい思い、転職を決意しました』
Q4「なぜうちの園に応募したのですか?」
これも、面接担当者にとっては関心の高い質問です。
数多くある保育園の中から、どうしてうちの園を選んだのかは、とても気になるところですからね。
なので、「貴園のココに惹かれました」という内容で回答するのがベストです。
「お給料がよいから」「自宅から通いやすいから」「残業が少ないと求人に書いてあったので」というような答えは、もちろんNGです。
本音ではそうだとしても、これじゃあ、人を外見で判断しているのと同じことになっちゃいますよね。
「園の中身を見ていない」と思われて、印象が悪くなってしまいます。
つまり、志望理由は、「その園の特長や、保育の取り組みに魅力を感じたから」という内容が望ましいですね。
面接担当者は、園の志を理解し共感してくれる人に興味を持つものなんです。
回答例:
『貴園では、食育に力を入れていらっしゃると伺いました。
私も、子どもの発達において、「食」は欠かせないものであり、重要な役割があると思います。
健康な体作りのためだけではなく、楽しく食べることや身近な食べ物について知ることも、子どもにとっては大切なことです。
私は、貴園の取り組まれている食育に保育士として参加し、より充実した食育を子どもたちに提供したいと思いました。
そして、私のこれまでの食育の活動の経験を活かすことで、貴園に貢献したいと思い志望いたしました』
Q5「保育の仕事で大変だったこと(または、嬉しかったこと、やりがいを感じたこと)は?」
この質問で面接担当者は、あなたの保育に対する考え方や、仕事への向き合い方を見ています。
なので、まずは、これまで経験してきた仕事上の出来事で、特に印象深いことを話しましょう。
「大変だったこと」は、愚痴ではなく、あなたがその困難を乗り越えたからこそ得られたものについて、具体的な出来事を挙げて話せるとベストですね。
また、「嬉しかったこと」「やりがいを感じたこと」も、あなたの保育観に合わせた内容を取り上げましょう。
回答例:
『私が、保育の仕事を通して大変だと思ったことは、運動会などの行事で、「その発表の完成度を高めること」と、「子どもたちが自発的に取り組み、満足感を得ること」の両立です。
私は、子どもたちが行事に向かって楽しく練習に取り組めるように、自分なりに工夫をしました。
しかし、やはり完成度が気になって、練習ばかりの毎日になってしまったり、私自身に気持ちの余裕がなくなったり、そのことに悩む日々もありました。
しかし、できれば保育士は、子どもたちの個性や発達段階を把握し、クラスとして無理のない適切な目標を設定することが望ましいと思います。
そして、子どもの気持ちをくみ取りながら一緒に練習過程を楽しみ、充実感を持てるような保育をすることが大切だと気付きました。
もちろん、保護者の方にとって運動会などの行事は、わが子の大切な晴れ舞台です。
そのため、子どもの成長の様子が伝わるよう工夫しなくてはなりません。
それと同時に、行事は子どもが主体であることを忘れずに、保育士として両者のバランスを考えながら取り組んでいきたいと思います』
Q6「保育士の仕事において最も重要なことは何だと思いますか?」
この質問も、「あなたの保育士としての心構えや信念」について見ています。
たとえば、あなたは、これまで保育の仕事を通してさまざまな困難にぶつかり、乗り越えてきたと思います。
失敗して大変な思いをしたからこそ、それが保育において重要なことだと痛感したことがありますよね。
それについて詳しく話しましょう。
そのような、あなたの経験からくる保育観や、いつも心がけていることは、あなたの人間性を物語ります。
あなたの答えが、園として共感できるものかどうかを、面接担当者は見ているんですね。
回答例:
『保育の仕事において最も重要なのは、保護者の方に、安心して子どもを預けていただけるようにすることです。
保護者の方は、わが子が安全に、そして楽しく保育園で過ごすことを望んでいます。
それなのに、かみつきやひっかきなどのトラブルが頻繁では、保護者は安心して子どもを預けられません。
それがもとで、園への不信感が芽生え、さらに保護者同士のトラブルに発展してしまうこともあります。
実際に、かみつきが原因で転園してしまうお子さんもいました。
このことから、保育士は子どもがケガなく安全に、そして楽しく1日を過ごせるよう、注意を払って保育することが大切だと思うようになりました。
そのためには、職員同士が声をかけ合い、連携しながら保育することもとても重要だと思っております』
Q7「保護者対応で大切なことは何だと思いますか?」
「保護者対応」は、園にとってはとても重要なものです。
なぜなら、保護者対応は一歩間違えると、園全体の大問題に発展してしまうことがあるからです。
だからこそ、園は保護者対応には敏感なんですよね。
なので、あなたのこれまでの経験を踏まえて、「保護者に対してどのように関わり配慮すべきか」という考えを話しましょう。
回答例:
『保護者対応で最も大切なことは、保護者の話を傾聴することだと思います。
保育士はいつでも忙しいですが、私は、お迎え時にクラスの保護者の方と顔があったら、できるだけ声をかけるようにしていました。
短い会話でも、そこから保護者の思いを知ることができるからです。
保育士が、保護者の話を丁寧に聞くことで、保護者との信頼関係をつくることができます。
保護者の理解や協力がなければ、よい保育はできません。
そのためにも、保育士は保護者に対して傾聴の態度を示しながら対応することが大切だと思います』
Q8「もし、クレームをつける保護者がいたらどう対処しますか?」
この質問は、先ほどの「保護者対応で大切なことは何か」の質問と共通したものがあります。
先ほどの質問の答えは、「保護者対応は、このように配慮したい」という言い方になりますが、こちらの場合は、問題が起こった時のあなたの対応方法を話すことになります。
あなたが、これまで行ってきた保護者からのクレーム対応を振り返り、「自分だったらどう対応して収めるか」ということを、具体的に話します。
たとえクレームが来ても、自分には落ち着いて保護者の気持ちを受け止め、真摯に対応する気持ちがあることをアピールしましょう。
回答例:
『私も過去に保護者からクレームに似た相談を受けたことがあります。
それは、子ども同士のトラブルによるケガについてでした。
ケガを負ったAちゃんの保護者から、「ケガをさせたBくんの親から何の連絡もない、一体どういうことなのか」というお話を受けました。
私は、「今回の件については、Bくんの保護者の方にも伝えました」と話しその上で、「園で起こったケガは、すべて担任の責任なので、Bくんの保護者に担任から謝罪を促すことは難しい」ということも丁寧に説明しました。
そして、「このような嫌な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした」と重ねて謝りました。
Aちゃんの保護者は、もともと園や私に対して怒っていたわけではなかったのですが、私がその不満を丁寧に聞き、共感する姿勢を示したことで、何とか気持ちを収めていただくことができました。
クレームに対して必要なのは、まず話を丁寧に聞くことだと思います。
保護者の気持ちを誠意をもって受け止めることによって、不満も少し収まります。
そして、できるだけ早く回答をし、対処する姿勢を見せることが大切だと思います』
Q9「あなたの長所と短所は何ですか?」
この質問には、あなたが自分を客観的に見たときに思うことや、よく人から言われる長所を話します。
そして、「長所なんだけど、行き過ぎると短所になる」→「なので、こんな風に気をつけている」という改善点につなげると話しやすいですよ。
回答例:
『私の長所は、何事にも早めに取り組むことです。
保育の準備や日誌などの書類仕事なども、優先順位を考えて、早め早めに対処してきました。
ただそれが高じると、少々せっかちになるようです。
あまり焦りすぎずに周りのペースも考えながら、効率的に仕事を進められるように心がけたいと思います』
Q10「ほかに応募している園はありますか」
他の園の求人に応募していなければ、「ありません」で済みますが、他にも応募していることだってあります。
一瞬どう答えたらよいか詰まってしまいそうな質問ですが、これも正直に答えていいです。
ただ、「あくまでも、第一希望は貴園です」ということを強調しましょう。
そうでないと、「よそに行くのなら、うちが内定を出しても仕方ない」と思われてしまいます。
「他の応募園は、貴園で不採用だった時のためのもの」ということを伝えてくださいね。
具体的には、「貴園には強い魅力を感じて第1志望と思っておりますが、他の園にも応募させていただいております」とシンプルに答えればいいでしょう。
ちなみに、保育士転職サイトを使っての転職活動であれば、園の内定を辞退することになっても、保育士転職サイトが伝えてくれるので心配ないですよ。
回答例:
『他にも応募している保育園はありますが、保育方針など多くのことを共感でき、働かせていただきたいのは貴園と思っております。
あくまでも貴園を第1志望とさせていただきたいと思います』
まとめ
面接は、その出来によって採用か不採用かが決まるわけで、最も緊張する場面ですよね。
この記事の回答例を、あなたの状況に合わせた内容にアレンジして、役立ててもらえればうれしいです。
でも、
- 「私の状況に合った答え方を知りたい」
- 「どうしても良い答え方が思いつかない」
というのであれば、保育士転職サイトに登録して、面接のアドバイスをもらうことをおすすめします。
保育士転職サイトのキャリアコンサルタントは、面接のノウハウについては熟知していますからね。
あなた個人の事情を聞いた上で、面接の答え方のアドバイスをしてくれますよ。
面接では、気負うことなく、「あなたの思いを誠実に伝えること」そして、「前向きな気持ちで答えること」を心がけて臨んでくださいね。