こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
転職を考えている保育士の方なら、「次はこそは自分に合った園を選びたい」と思いますよね。
そのときに知っておきたいのが、「保育園の種類」ですね。
保育園は、「公立保育園」と「私立保育園」に大きく二つ分けられ、それぞれに違いや特徴があるんですよね。
そうすると、
- 「公立保育園と私立保育園の違いって? それぞれどんな特徴があるの?」
- 「公立保育園に転職するのは大変ってきいたことあるけど…」
- 「私に合うのは、公立保育園? それとも私立保育園?」
なんて、疑問や知りたいことが思い浮かんでくると思います。
この記事では、「転職するなら、公立保育園か私立保育園のどちらがいいのかな?」と考えている方のために、「公立保育園と私立保育園の違いや特徴」「どんな人が向いているのか」について詳しく解説します。
実際に、私が私立園と公立園で働いた体験談もお伝えし、より具体的にそれそれの園をイメージできるようにしましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
公立保育園の8つの特徴
まずは、公立保育園の特徴について解説しますね。その特徴は以下の8つとなっています。
- 地方自治体が運営する
- 待遇は公務員と同じ
- 担当するクラスによっては残業が多い
- 地方自治体の職員採用試験に合格する必要がある
- 3~5年ごとに異動がある
- 若手保育士からベテラン保育士まで職員層が幅広い
- 保育方針は全園が横並びで大きな違いはない
- 非正規職員の働き方は自治体によって違う
では、一つずつ見ていきましょう。
地方自治体が運営する
公立保育園は、市区町村などの地方自治体が設置して運営する保育園のことです。
そして、公立保育園は、国が定めた設置基準を満たし、都道府県知事に認可された施設でもあります。
つまり、公立保育園は認可保育園でもあるということです。
設置基準とは、保育士の数、施設の面積、設備、防災管理、衛生管理などの園を設置、運営する上での守るべき基準です。
これをすべてクリアしてうえ都道府県知事に認可されると、園の運営費の4分の3の補助金を受けることができます。
待遇は公務員と同じ
公立保育園の保育士は、地方公務員として園に勤めることになります。
給料やボーナスなどは公務員の規定と同じなんです。
初任給はそれほど民間とは差がありませんが、しっかり昇給していくので給料は年々上がっていきます。
勤務年数が長くなればなるほど、かなりの額をもらえるようになります。
また、休暇や福利厚生が整っています。
たとえば、有給休暇、産前産後休暇、育児休暇、介護休暇、病気休暇、子の看護休暇など、公務員と同じ休暇が保証されています。
特に女性が多い職場である公立保育園は、産休、育休の休暇得率が高いです。
他にも、定期健康診断やさまざまな病気の検査、人間ドッグ、レクリェーション補助、永年勤続表彰など、いろいろな福利厚生があります。
担当するクラスによっては残業が多い
公立保育園では、通常であればほぼ定時に上がれます。
しかし、担任する年齢によっては残業が発生します。
特に5歳児の担任になると、残業はかなり多くなり持ち帰って仕事をすることもあります。
私が公立保育園で働いていた時、5歳児の担任の保育士は、残業していることが多かったです。
特に、行事が近づいてくると残業することが多くなってきます。
役所でも、定時に帰れる部署もあれば、日常的に21時、22時など夜遅くまで残業する部署があります。
それと同じように、公立保育園といえども、保育士全員が毎日定時で帰れるわけではないんです。
地方自治体の職員採用試験に合格する必要がある
公立保育園に勤めるには、各市区町村が行う職員採用試験に合格する必要があります。
採用試験は年に1回であり、自治体ごとに行う時期がまちまちです。
また、応募条件(年齢制限など)も自治体によって違うので、細かくチェックする必要があります。
そして、毎年必ず保育士の募集があるとは限らず、募集のない年もあります。
なぜなら、公立保育園の保育士は公務員として安定した条件で働けるため、辞める人が少ないからです。
また、現在はどこの自治体でも公立保育園の民営化を進めており、保育士の採用を減らす傾向にあるからなんです。
そうなると、公立保育園の保育士の採用人数は応募者数に比べてかなり少なく、倍率が高くなり難関となってしまうんですね。
ひとつ心得ておくべきなのは、「自治体の職員採用試験に合格しても、保育園に配属されるとは限らない」ということです。
たとえば、児童福祉施設やひろば館、役所の保育課などに配属になるケースもあります。
そういった可能性があることも知っておきましょう。
公立保育士の採用試験には、「一般教養の筆記試験」と「保育の専門知識を問う筆記試験」があります。
合格するためには、それなりの時間と労力をかけて、しっかりと試験勉強をする必要があります。
さらに「作文」や「面接」があり、自治体によってはピアノなどの、「実技試験」も行うため、それぞれへの入念な準備が必要です。
採用試験に合格した場合は、採用候補者名簿に登録されます。
そして、保育園などの施設で人員の空きが出た段階で自治体から声がかかり、ようやく公立保育園の保育士になれます。
もし、その年度中に保育園などに人員の空きが出ず、自治体からの要請がなかったら、採用候補者名簿の登録は無効になります。
つまり、「せっかく採用試験に合格してもその有効期限は年度内のみ」ということになるんですね。
3~5年ごとに異動がある
公立保育園では3~5年ごとに異動があります。
毎年12月ごろになると次年度の異動希望調査があります。
異動願いを出せば、別の公立保育園に異動できる可能性があります。
もし職場の人間関係で深刻な悩みがあって今はつらくても、数か月後に異動して人間関係のリセットができると思えば、なんとか耐えられますよね。
もちろん、異動願を出しても必ず叶うわけではありません。
しかし、嫌な人と永遠に一緒に働くわけでもありません。相手が先に異動する場合もあります。
公立保育園の人間関係は、職員の異動によって良くも悪くも毎年少しずつ変わっていきます。
なお、公立保育園の保育士の異動先は保育園とは限りません。
児童福祉施設やひろば館や図書館、役所の保育課や子育て関連の部署の場合があります。
それは、あなたが希望していなくても異動となれば従うしかないんです。
若手保育士からベテラン保育士まで職員層が幅が広い
公立保育園の保育士の年齢層は、若手保育士からベテラン保育士まで幅が広いです。
公務員として安定して働けるため、育休や産休を経て働き続けるベテラン保育士が多くいます。
かつて私がまだ若手保育士だったころ、ベテラン保育士と組んでクラスを持ち、結構上下関係に気を使うことが多かったです。
学ぶことは多いですが、ベテラン保育士の指導がきつく感じて、毎日緊張していた思い出があります。
特に行事などでは、準備段階から効率よくテキパキ仕事を進めていかないと、ベテラン先輩保育士から指摘されてしまいます。
ここでつぶれず実力をつけていければ、保育士としてステップアップできますが、中にはつらい思いをする保育士もいます。
保育方針は全園が横並びで大きな違いはない
公立保育園の保育方針は、園によってサービスに大きな差が出ないよう横並びです。
もちろん、園の施設自体や立地などに違いがあるので、保育上の取り組みで多少の違いが出ることはあります。
ですが、「講師を呼んで体操教室を行う」と決まったら、その自治体の公立保育園すべてに予算をつけて体操教室を行います。
体操の講師は違う人かもしれませんが、とりあえず同じ種類のサービスを行うことになります。
何をするにしても、予算はすべて税金です。
公立保育園が園独自でやりたい保育を実現するために勝手に予算をつけたり使ったりすることはできないのです。
このように、公立保育園は保育の取り組みが均一化しています。
つまり、どの園に異動しても保育自体にはそれほど大きな違いはないことになります。
非正規保育士の働き方は自治体によって違う
公立保育園には、正規保育士だけでなく、「非常勤保育士や臨時保育士(パート)などの非正規保育士として働く」という選択肢があります。
そして、非正規保育士の働き方は地方自治体によって違います。
たとえば、ある自治体の非常勤保育士は短時間勤務なのでクラス担任は持たず、フリーの立場で現場に入ることになっています。
一方、他の自治体では非正規保育士でもフルタイムで働き、クラス担任を持ち正規保育士並みの責任を持つ場合があります。
公立保育園の非正規保育士として働くことを考えている場合には、実際にどのような働き方をするのか確認しておく必要があります。
非正規保育士の採用には特別な試験はありません。
自治体に履歴書を提出し登録しておくと、必要に応じて順次声がかかり、面接する仕組みになっています。
しかし、非正規保育士の募集もそれほど多くはなく、出るタイミングもまちまちなので、常にチェックしておく必要があります。
私が公立保育園に勤務していた時の体験談
ここからは、私が公立保育園の採用試験を受け、公立保育士として勤務していた時の体験談をお話ししたいと思います。
かつて私は、ある自治体の保育士募集要綱を見つけて応募し、採用試験を受けました。
試験内容は「一般教養試験」と「保育の専門知識の試験」と「作文」でした。それにパスすると、面接がありました。
最終的に、私は採用者全体の中の5番目に登録される形で採用となりました。そして翌年の4月には配属が決まり、勤務することになりました。
公立保育園にはベテラン保育士が多く、そんな先輩保育士からの指導が厳しくて人間関係に悩むこともありました。
また、園長によっては独裁的な人もいて、納得がいかない仕事でも言われればやるしかないこともありました。
そして5歳児担任は、乳児クラスの担任とは比べものにならないほど仕事量が多くて大変でした。
いつも行事の準備に追われ、日常的に残業していましたが、残業手当はほとんどつきませんでした。
休憩もめったにとれず、コーヒー1杯飲むのもやっとの毎日でした。
もちろん、つらいことばかりではなく、職員間の年齢差を超えて保育の楽しさを共有できたことがありました。
異動によって得られた人との出会いがあり、それは私の大きな財産となっています。
私立保育園の8つの特徴
続いて、私立保育園について解説していきます。
私立保育園にも特徴があり、それは以下の8つになります。
- 民間が運営している
- 待遇は園ごとに独自に決めている
- さまざまなサービスを行うため業務の負担が大きい
- 難しい筆記試験はなく人物重視で採用する
- いろいろな形態で保育士を雇用している
- 異動がない
- 職員の年齢層は比較的若い
- 園独自の個性ある保育を行っている
では、一つずつ特徴を見ていきましょうね。
民間が運営している
私立保育園の運営は、社会福祉法人、学校法人、NPO法人、株式会社などの民間が行っています。
保育士はその運営母体に採用された、「社員」ということになります。
私立保育園には、国の基準を満たし都道府県知事に認可された「認可保育園」と、それ以外の「認可外保育園」があります。
認可の私立保育園であれば、国や自治体から補助金をもらっているので、園の経営は安定しており働くには安心です。
そして、最近よくあるのが、「公設民営の保育園」です。公設民営保育園とは、保育園の施設は地方自治体が作り、運営は民間に委託している保育園のことです。
そこで働く保育士は、公務員ではなく民間の保育士なので、公設民営保育園は私立保育園と思ってよいでしょう。
ちなみに、下の求人票は私立認可保育園のものです。
求人の内容は、「月給が23万円」「完全週休2日制」「休日120日」となっており、好待遇です。
やはり認可されていることの安定感を感じさせられますね。
待遇は園ごとに独自に決めている
私立保育園の待遇は、園ごとに独自の規定によって決められています。
給料や、ボーナス、休日や福利厚生などの待遇はは、園の経営者の考え方次第であり、また、経営状態の良し悪しによって変わってきます。
たとえば、保育士転職サイトの求人などを見てみると、園によって給料の額も休日数も、福利厚生の内容もさまざまです。
優秀な人材を確保するために、「給料が高い」「休日が120日以上ある」「残業をしないように工夫している」などの、好条件を提示している私立保育園も見つかります。
このように、私立保育園の中には待遇の良い園がありますが、公立保育園に比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
たとえば、公立保育園にはきちんと昇給があり、長く務めただけ給料はしっかり上がっていきますが、私立保育園の場合はなかなか昇給がなく、給料が上がりにくい傾向があるからです。
初任給は私立保育園も公立保育園もそれほど差はありませんが、長く勤めていくとその違いが表れてきます。
また、私立保育園の場合、産休や育休があるといっても、実際にそれらの休暇を取得して職場復帰する保育士は少ない傾向にあります。
公立保育園に比べて、産休や育休を取りにくい職場の雰囲気があったり、残業が多く子育てと両立が難しかったりするからです。
もちろん私立保育園もいろいろあるので、産休や育休が取れ、公立保育園並みとはいかなくてもある程度昇給がある園もありますよ。
さまざまなサービスを行うため業務の負担が大きい
私立保育園は、保護者の求めるさまざまなサービスに取り組んでいるため、保育士にとっては業務の負担が大きくなりやすいです。
たとえば、
- 「延長保育の時間が長い」
- 「保護者会を土曜日に行う」
- 「一時保育や休日保育を行う」
など、保護者に喜ばれるサービスをできるだけ取り入れていこうとします。
また、子どもにさまざまな経験をさせたいという保護者の要望から、「英語教育」「体操教室」「楽器」などのジャンルを保育に取り入れることがあります。
そうなると、保育士は勤務のシフトが増えたり休日出勤が多くなります。
また、勉強しなければならないことも出てくるので、負担が大きくなってしまいます。
さらに、私立保育園では行事の数が多く、派手に行うことが多いです。
そうすると、保育士は残業や持ち帰り仕事が多くなり、体力的にも精神的にもハードになります。
難しい筆記試験はなく人物重視で採用する
私立保育園に転職する場合、難しい筆記試験はなく面接のみ行い、人物重視で採用することが多いです。
つまり、採用試験のために一般常識や専門分野の勉強をする必要がありません。
毎日残業で忙しい保育士には、試験勉強の必要がないので安心ですね。
ほとんどの私立保育園が面接のみ、そしてまれにピアノなどの実技試験が加わることがあります。
なので、転職活動の負担が軽く済みます。
公立保育園の採用試験は筆記試験が難関なので、私立保育園に転職する方が転職活動のハードルが低く、取り組みやすいです。
いろいろな形態で保育士を雇用している
私立保育園では、正社員保育士だけではなく、派遣社員や契約社員、パートやアルバイトなどいろいろな雇用形態で保育士を雇い運営している園が多いです。
下の求人票の私立認可保育園では、正社員やパート、アルバイトの募集をしています。
たとえば、
- 「フルタイムでしっかり働きたい」
- 「残業ができないので定時で帰りたい」
- 「週に3~4日だけ働きたい」
など、あなたの希望や都合に合わせて雇用形態を選びやすく、私立保育園にはそのような求人が多いです。
また、同じ園に勤め続けたのち、園長から声がかかり、「アルバイトから正社員にしてもらえた」などの雇用変更もあり得ます。
このように、園長が自由に人事を采配できるのも、私立保育園ならではですね。
異動がない
基本的に、私立保育園には異動がありません。
姉妹園や系列園などがあれば、そちらに異動することがあるかもしれませんが、それがない場合は採用された園でずっと働き続けることになります。
もし、その園の保育方針に共感でき、自分に合っていると思えれば、好きなだけ働き続けることができます。
その園であなたの保育観に合った保育スキルを伸ばしていくことが可能ですよね。
ただし、職員同士の人間関係がうまくいかない場合はつらいです。
公立保育園のように異動がないため、ずっと同じ顔触れで仕事をしなければならないからです。
私立保育園は人間関係が固定化されやすく、風通しが悪くなってしまう場合があるんです。
職員の年齢層は比較的若い
私立保育園の職員の年齢層は比較的若いです。
なぜなら、私立保育園では残業などの業務の負担が大きい傾向があるため、保育士が結婚や出産をした後に働き続けるのがなかなか難しく、退職する人が多いからです。
また、私立保育園は民間が運営しているので、その経営を成り立たせなくてはなりません。
それには、人件費を抑えるのが最も有効です。
そのため、給料をたくさん支払わなければならない年配のベテラン保育士よりも、経験は少ないですが若手保育士を雇った方が給料は安く済みます。
私立保育園では若手保育士が集まりやすく、その分楽しく和気あいあいと仕事ができます。
一方、まだ経験が浅く未熟な保育士が多いので、保育がうまくいかず試行錯誤しやすい可能性はあります。
園独自の個性ある保育を行っている
私立保育園の何よりの魅力は、園独自の個性ある保育を行っていることです。
他園との保育の違いを保護者にアピールすることで、「自分の園を選んでもらいたい」という思いがあるからです。
たとえば、キリスト教、仏教などの宗教の教えを保育に取り入れている園があります。
また、英語、体操、絵画造形、楽器、リトミック、スイミングなどのプログラムを取り入れて独自性をアピール園も多いです。
ほかにも「どろ遊び保育」「はだし保育」「自然や動物に触れ合う保育」など、園による保育へのこだわりが見られるのも私立保育園ならではです。
私が私立保育園に勤務していた時の体験談
私は私立保育園にも勤務していたことがありましたので、ここからはそのときの体験談をお話ししたいと思います。
私は、短大を出たのち、社会福祉法人が運営する私立の認可保育園に勤めました。
選ぶ時に特別な理由はなく、「短大の就職課にその園の求人が来ていたので面接を受けてみた」という程度のものでした。
その園は社会福祉法人にありがちな、園長とその家族が主になって経営している園でした。
なので、園長やその家族の考え方が保育方針のすべてで、職員は園長の方針に従うことが当たり前でした。
ときには保育の仕事とは関係ない、園長の個人的な都合による雑用をするために、若手保育士がかり出されることもありました。
その園では、「和太鼓の講師を呼んで子どもたちに指導する」という保育プログラムを行っていました。
そのため、保育士たちも講師から和太鼓の技術を教わり、子どもたちと一緒に和太鼓を練習していました。
私にとって和太鼓は、結構楽しいプログラムでした。年に1度の発表会に向けて子どもたちに指導し、保育士たちも和太鼓を披露するため、練習に励みました。
確かに大変ではありましたが、それよりもやりがいが勝っていました。
子どもたちが本番の舞台で立派に発表できたこと、それを保護者が喜んでくれたことが何よりうれしいことでした。
職員は若い女性保育士ばかりでした。
年が近いので話しやすく、楽しく仕事ができました。
特に、和太鼓の練習などで職員が一丸となってがんばったことにより、保育士の間に連帯感が生まれました。
仕事が終わった後も同僚でよく集まり、愚痴も含めてですがいろいろな話をしました。
確かに、お給料は安かったり、園長の保育方針や保育士を私用で使うなど、気になることはありました。
しかし、保育士同士の人間関係でひどく悩むことはなく、決して悪い環境ではありませんでした。
保育自体にもやりがいがあり、良い保育園にめぐり合えたと思っています。
あなたが転職するなら公立保育園?私立保育園?
これまで、公立保育園と私立保育園の特徴を見てきました。
公立保育園と私立保育園の違いや、それぞれの良さや厳しそうな一面など、いろいろな状況がわかってきたのではないでしょうか。
では、公立保育園と私立保育園、それぞれに向いているのはどんな人なのでしょうか。
公立保育園が向いているのはこんな人
まず、公立保育園に転職するのに向いている人ですが、それは、以下のような方です。
- 自分で応募したい自治体のことや職員募集案内を調べられる
- 採用試験合格のため、試験勉強をコツコツと継続して頑張れる
- 保育園以外の職場に異動することになっても、それを受け入れて働く覚悟がある
公立保育園の採用試験を受けようと思ったら、
- 「どの自治体で保育士の募集をしているのか」
- 「試験日はいつなのか」
- 「試験内容は何か」
など、自治体の職員募集案内について調べなければなりません。
それも、自分一人ですべてを調べる必要があります。
保育士転職サイトやハローワークなどの転職支援サービスでは、公立保育園の保育士募集について、何の関与もしていないためです。
そして、公立保育園の保育士になろうとする場合、一つの自治体のみを受験することは少ないです。
公務員試験は競争が激しいので、複数の自治体を受験することが普通です。
なので、複数の自治体の保育士募集について調べてきちんと把握しておく必要があります。
また、公立保育園の採用試験は、公務員試験でもあるので高倍率かつ難関です。
なので、長期的な勉強計画を立ててコツコツと努力していくことが必要です。
昼間働いているのであれば、試験勉強に使える時間は、平日の夜と休日のみです。
「残業で疲れたから早く寝よう」「休みの日ぐらいどこかに遊びに行きたい」などと、これまでと同じ生活を送っていては、成しとげられません。
試験日までのあなたのプライベートのほとんどを、公務員試験のための勉強に使う覚悟を決めましょう。
それから、公務員には必ず異動があります。
あなたが希望をしているかどうかに関わらず、異動させられてしまいます。
なので、異動の際には新しい職場を素直に受け入れ働いていく心構えが必要です。
特に今は公立保育園の民営化が進められており、公立保育園は減っていく一方です。
そうなると、保育士だからといって保育園に異動できるとは限らず、全く畑違いの部署に行かされる場合だってあるんです。
なので、それでも異動を前向きに受け止めて働けるかどうかをイメージしてみてください。
以上のように、大変なエネルギーや時間が必要な割には、成功するとは限らないのが公立保育園への転職です。
それを十分に理解し覚悟した上で、公立保育園への転職を考えてみてくださいね。
私立保育園が向いているのはこんな人
続いて、私立保育園に転職するのに向いている人についてですが、それは以下のような人です。
- 同じ保育園で長く働いてキャリアを積みたい
- 若い年齢層の保育士と一緒に働きたい
- 今の職場から少しでも早く転職したい
私立保育園では、園ごとに保育方針や保育理念を掲げて個性をアピ―ルしています。
あなたの保育観と合えば、働きやすく居心地がよい職場になります。
私立保育園には異動がないため、同じ保育園で長く働いてあなたの保育観に沿ったキャリアを積めます。
保育士であれば、自分の理想とする保育を目指して子どもたちとイキイキした毎日を過ごしたいはずです。
納得いく園で、納得いくように保育士として働きたい方には、私立保育園はピッタリです。
また、私立保育園は若い年齢層の保育士が多いです。
それは、労働条件や職場の人間関係などが理由で、「保育士の入れ替わりが多い」ということなのかもしれません。
ですが、
- 「ベテラン保育士が多い職場では委縮してしまう」
- 「同じ年代の保育士と理解しあいながら働きたい」
という方には、若い年齢層の保育士が多く働く私立保育園はポイントが高いですね。
そして、今の園からできるだけ早く転職したい方は私立保育園を選ぶことになると思います。
私立保育園の求人は年間通じていつでもあります。
現在、保育士業界は人手不足なので求人は豊富なため、私立保育園への転職は比較的簡単に決まりやすいです。
そして、私立保育園に転職する場合には、保育士転職サイトのような転職支援サービスが使えます。
私立保育園の好条件の求人を紹介してくれ、キャリアアドバイザーと共に転職活動を進められるので、自分一人で迷い悩むことはなく、転職を失敗せずにすみますね。
以上のように、あなたの理想の保育や希望する条件をもとに、転職したい園を自分で見極めて選べるのが私立保育園です。
採用試験がなく気軽に応募できることから、転職活動のハードルが低く転職活動がしやすいのは私立保育園といえますね。
まとめ
公立保育園と私立保育園のそれぞれの特徴を知った上で、自分が転職するとしたらどちらが合っているのか、そしてよりよく働ける園かを考えてみてくださいね。
また、転職活動の内容も、公立保育園と私立保育園では大きく違います。
特に公立保育園の採用試験を受けるとなれば、かなり用意周到にしなければなりません。
あなたの現状や性格、今後の希望などもよく考えた上で、「高倍率の採用試験を突破するための試験勉強ができるのか」を冷静に考えてみてくださいね。
もし、私立保育園に転職するなら保育士転職サイトを使ってみるのもよいと思います。
あなたの希望が叶う園に転職するサポートをしてもらってはいかがでしょうか。
どちらにしても、あきらめずに根気よく転職活動を続けることがポイントです。
あなたの理想の職場、理想の生活を目標にぜひ行動してください。