こんにちは! 現役保育士はなえみです(転職でホワイト園に巡り会えました!→ プロフィールはこちら)。
1年目の保育士が転職するとき、面接では必ず退職理由を聞かれます。
1年目で転職するのですから、きっと切羽詰まった理由があるはずですが、面接で話すとなるとどう話したらいいのか悩みますよね。
できれば、応募先の採用担当者にはすんなりとあなたの退職理由を受け止めてもらいたいですしね。
そのためには、「どう話したら理解してもらえるのか」「本音を話してしまっていいのか」などいろんな疑問も出てくると思います。
この記事では、「1年目の保育士が面接で退職理由を話すとき、前向きに言い換える6つのパターン」について、お伝えします。
あなたが退職に至った理由を応募先の園に理解してもらえるよう、上手な伝え方、言い換え方のコツを押さえておきましょうね
目次
本音の退職理由を言ってもいいのか
保育士1年目で転職しようとするのですから、本音としては今の園に対する何らかの不満があるはずです。
なので、応募先の採用担当者も、「何かよほどの理由があって退職したのだろう」と予想はしているはずです。
ならば、転職の面接では本当の退職理由を話す方が自然です。
もし、「何の問題もない良い職場でした」と隠せば、「じゃ、何で辞めたの?」と不審がられます。
無理やり違う理由に作り変えても、どこかでボロがでるかもしれません。
やはり、本当の理由を話すのがよいです。
ただ、あなたの本当の退職理由を伝えるにしても、言い方には注意が必要です。
それは、「前の園の批判や愚痴などの本音をストレートに言うのはNG」ということです。
そこだけは、言葉を選んで言い換える必要があります。
前の園のことをあからさまに批判する話し方は、面接担当者に不快感を与えます。
「前の職場ばかり責めているけど、あなた自身に問題はなかったのか?」と思われてしまいます。
自分のことを棚に上げた話し方をする相手には、誰でも嫌悪感を抱くものです。
なので、それを避けるためにも、まずは客観的な言葉で退職までの経緯を冷静に伝えてください。
らに、自分の反省点を述べ、「自分なりに環境改善に向けて努力したけれど、残念ながら叶わなかった」ということを付け加えましょう。
そうすると、面接担当者もあなたの退職理由に納得し理解を示してくれます。
ネガティブな退職理由でも、謙虚な言葉で伝えることで、「やむを得ない退職だった」と受け入れてもらいやすくなりますよ。
ネガティブな退職理由はこんなふうに言い換えよう
では、退職理由はどのように言い換えたらよいのか、よくある退職理由を挙げて一つずつ見ていきますね。
人間関係が原因の退職理由
- 本音の退職理由は?
『少しミスしただけなのに先輩から長々とお説教されたり、嫌味を言われたりしました。
そのうち、私にだけ伝達事項を教えてくれないなど、仲間外れをしてくるようなりました。
こんな意地の悪い職場ではとても働き続けられないと思い、転職することにしました』
これらはもちろん事実なのだと思いますが、そのまま面接担当者に伝えてしまうのはよくありません。
「周りのせいにして自分のことは何も振り返っていない」「あなたに落ち度はなかったのか?」と思われてしまいます。
もちろん、先輩の無視や嫌味、仲間外れは良くない行為ですが、あなたなりに自分を振り返ってみたときの言葉を付け加えましょう。
- このように言い換えよう!
『私も1年目ということで、先輩からいろいろと指導していただいてもなかなか思ったように動けず、迷惑をかけてしまいました。
そのため、先輩との意思疎通が段々うまくいかなくなり、関係が悪化してしまいました。
私なりに反省したことをお伝えし、同じ失敗を繰り返さないように気をつけましたが、先輩の私への不信感は変わりませんでした。
その状態が今後も続くことに精神的なストレスを感じ、どうしても辛くなってしまったため、やむをえず退職しました』
保育のやり方が合わないことが原因の退職理由
- 本音の退職理由は?
『先輩保育士が子どもを怒鳴る、自分の感情で叱るなど、保護者が見ていないのをいいことにひどい対応をする人たちでした。
保護者の悪口も聞いていられないような言葉で言いあっていました。
そのうち、私にも同じように子どもに厳しくするように強要され、しないと嫌味を言われるようになりました。
「こんなひどい保育をする園ではこれ以上働けない」と思って退職しました。』
残念なことに子どもの気持ちを受け止めることなく、乱暴な言葉づかいで子どもを叱ったり、けなしたりする保育士がいます。
そのようなことをされる子どもを目の前にすると本当に心が痛みますよね。
せめて自分だけは、子どもの気持ちを受け止めてあげたいと思いながら接していると、「先生は甘い」「もっと厳しくして」などと注意されてしまうこともあるかもしれません。
そんな保育のやり方や職場環境が良いわけがありませんが、先輩を批判する言い方は避けた方が無難です。
そんな環境を改善するために、自分にも努力が必要だったことを加えて述べましょう。
- このように言い換えよう!
『先輩方は子どもへの接し方が厳しく、保護者への批評もきつい方々でした。
私は、「子どもや保護者一人ひとりを尊重しながら接していきたい」と思っており、先輩方の保育のやり方に日々疑問を持っていました。
そして、それが積み重なりストレスになっていきました。
園長先生にも相談しましたが、先輩方にはあまり強く言えないようで、状況を変えることができませんでした。
子ども達のことはとても心配でしたが、この環境が続くとなると私自身も精神的に耐えられないと思い、やむをえず退職することにしました』
保育観の違いが原因の退職理由
- 本音の退職理由は?
『前の園は、子ども達に楽器演奏や体操などを教え込み、その成果を重視していました。
子ども達がきちんとできないと、私の指導力不足を責められました。
しかし、私は子どもには自由遊びの方が大切だと思います。
この園の保育観はおかしいと思って退職しました』
実際に、そのようなカリキュラム重視の保育をしている園はあります。しかし、それを真っ向から批判するのはNGです。
保育の価値観は多様であり、あなたの価値観に合わなかったからと言って、一方的に園を悪く言うことは好ましくありません。
ましてや、1年目の保育士が園の保育方針のことをあれこれと批判する態度は、応募先の採用担当者もよい気持ちはしません。
「1年ぐらいの経験で何がわかるのか」「いずれうちの園のことも悪く言うのでは?」と思われてしまいます。
自分の保育観とは違っていても、その価値観は尊重する姿勢を見せながら、自分の希望の保育について話しましょう。
- このように言い換えよう!
『私は、保育士として、子どもの興味に合わせて子どもの好きな遊びを十分に楽しめる保育をしたいと思っていました。
しかし、前の園では、英語や体操などのカリキュラムや行事の完成度の高さを重視する雰囲気があり、普段の保育もその練習が優先されていました。
それも一つの保育方針であり、成果を上げることで子どもの自信につながることがあると思います。
ただ、私の希望する保育とは違うような気がしていました。
そう思いながらも、「慣れればやっていける」と毎日保育していましたが、保育観のずれがどうしても苦しくなってきてしまいました。
やはり、自分の求める保育をしてみたいと思い退職しました』
残業や持ち帰り仕事などが多すぎることが原因の退職理由
- 本音の退職理由は?
『前の園は、毎日の日誌や連絡量の記入のほかにも、行事の準備、会議など、保育以外の仕事が多すぎて、毎日残業でした。
さらに休日には仕事を家に持ち帰ってしなければならなくて、全然プライベートの時間が取れません。
こんなに長時間働かされる園だとは思いませんでした』
保育以外の仕事はどこの園でもあり、それも大切な仕事です。確かに業務量は多いかもしれませんが、それに対して文句を言っているだけの言い方はNGです。
面接担当者に、「うちの園の残業にも文句を言って辞めてしまうのでは…?」と不安に思われてしまいます。自分なりに業務の効率化を図る努力をしたことを伝えるなど、前向きに対処したことを付け加えましょう。
- このように言い換えよう!
『前の園では、業務量が多く、早番でも定時には帰れず、夜遅くまで毎日残業していました。
残業だけで済まないときは、休日に仕事を家に持ち帰ってやっていました。
自分なりに効率よく業務をこなせるように工夫してみたのですが、まだ1年目ということもあり要領が悪かったためかうまくいきませんでした。
先輩にも相談して、業務の簡素化などを話し合いましたが、園長先生の方針とかみ合わず、提案を受け入れてもらうことができませんでした。
今後業務量が変わらないとなると、体をゆっくりと休ませる時間も取れない生活が続くことが予想され、とても悩みましたが退職することにしました』
給料が安いことが原因の退職理由
- 本音の退職理由は?
『他の園に勤めている友達の保育士に聞いたら、私は彼女の給料よりずいぶん安いことがわかりました。
せめて、毎日の残業に手当がつけばいいですがそれもありません。
こんなに働いているのに安給料ではやる気も出ず、もっとお給料の良い園に移りたいと思いました』
正直に言えばそうなのでしょうが、あまりにもストレートな言い方です。
これでは、「1年目で園に十分に貢献できてもいないのに、給料ばかり欲しがっている」と思われてしまいます。
「給料が安いことによってとても困っている」という内容を加えると、理解されやすいはずです。
- このように言い換えよう!
『私は保育士1年目ですし、今はお給料が安くても仕方がないことだと思っていました。
ですが、前の園はとても業務量が多く、残業や持ち帰り仕事に大変な負担を感じていることを思うと、段々と違和感を覚えるようになりました。
また、前の園のお給料だと生活するのが精いっぱいで、将来に備えて貯蓄し自己研鑽するための余裕はありません。
自分の仕事へのモチベーションを上げるため、また、将来に向けての生活設計を考え、もう少しお給料がいただける園に移りたいと思い、退職いたしました』
体調を崩したことが原因の退職理由
- 本音の退職理由は?
『仕事量が多いのと、保育士同士の人間関係が悪いのとで、私には結構ストレスでした。
そのせいで頭痛がしたり風邪をひきやすくなったりして、体調を崩すことが多くなりました。
これ以上続けていたら本格的に体を壊してしまうと思って退職しました』
体調を崩したことは、退職理由として一見やむを得ないもののように見えます。
しかし、採用担当者にしてみれば、頻繁に風邪をひいているようでは、「体が弱いのでは?」というマイナスの印象を持ちます。
保育士という職業柄、体力と精神力は必要です。
たとえば、どんなに寒い冬の日でも、ほとんど毎日のように子どもと一緒に外で遊ばなくてはなりません。
ですが、「そんなにストレスを抱えやすいのでは、また病気になって辞めてしまうかも」と不安がられてしまいます。
それを避けるためにも、体調を崩したのは、「誰が働いても体調を崩すような厳しい労働環境だったから」と強調しましょう。
そして、今はすっかり回復していて体力的に問題はないことをアピールしてくださいね。
- このように言い換えよう!
『毎日夜遅くまでの残業、そして家に仕事を持ち帰ってもやっていて、しっかりと体を休めることが難しい職場でした。
やりがいは感じていましたが、頑張りすぎてしまったためか、次第に体力と気力がついていかなくなり、ひんぱんに体調を崩すようになりました。
『この長時間勤務では、自分の体力が続かない』と思い、園長にも相談しましたが、これ以上人員を増やせないため、改善は難しいとのことでした。
この園に勤めている以上、体調を回復させることは難しいと判断し、残念ですが退職することにしました。
その後、しっかりと休養をとることができ、体調は良くなりました。
現在の健康状態は良好ですので、勤務には差し支えありません』
ネガティブな退職理由は「自己PR」でカバーしよう
転職の面接では、退職理由を話す以外にも、「自己PRをしてください」と言われることがあります。
1年目の保育士の退職理由は、どうしてもネガティブな傾向があるので、その分は自己PRでカバーしましょう。
具体的なコツは以下の2点になります。
一つ目は、「自分の特技や趣味を保育と関連づけてアピールする」ということです。
1年目の保育士は、職歴が短いので保育士のキャリアを武器にすることは難しいです。
「保育経験を活かしたい」とアピールしても、「1年程度の経験で何ができるのか」と思われてしまうからです。
それよりも、「自分の特技や趣味が保育に活かせる」とアピールする方が現実的でしょう。
たとえば「スポーツで培った体力や忍耐力を活かしたい」とか、「ピアノが得意なので、伴奏はもちろん、リトミックをしてみたい」などです。
もし、保育園での経験をアピールする場合は、「経験としては浅いですが…」と前置きをしながら、「〇〇の経験をさせていただいたことが大変勉強になりました」という形で述べ、それを活かしたいと話せば、謙虚な、そして意欲的な姿勢が伝わります
二つ目は、退職理由と関連づけて、「自分なりに反省したことを活かし努力したい」と今後の意欲をアピールします。
たとえば、人間関係が退職理由だった方は、「職場の先輩方とのコミュニケーションをうまくとれるよう、自分から積極的に考えながら行動していきたいです」などの気持ちをアピールしてください。
他にも、保育のやり方の違いが退職理由だった方は、「先輩方の保育から多くを学び、自分の経験の幅を広げたいと思います。
もし、保育の違いがあってもそれを理解した上で、子どものためにより良い保育ができるように話し合っていきたいと思います」などと話すとよいですね。
前の園の退職から学んだことを次に活かし、向上していきたい意思があることを伝えます。そうすれば、退職理由はマイナスイメージだけにならず、あなたの自己PRの武器になるますよ。
まとめ
保育士1年目で転職するとき、面接で退職理由をどう話すかは悩みますよね。
できれば本当のことを言いたいですが、何でもありのままに話すのがよいこととは限らないんですよね。
本音はあるでしょうが、そこは面接担当者に理解してもらえるような言い方に変えて話し、採用につなげることがことが大切です。
でも、「どうしても退職理由のよい言い方が思いつかない」という方もいるかもしれませんね。
そんな時は、保育士転職サイトに登録して相談してみてはどうでしょうか。
保育士転職サイトは求人紹介が主なサービスですが、転職に悩む保育士の相談にも乗ってくれて、あなたの事情を理解した上で、退職理由の上手な伝え方をアドバイスしてくれますよ。
保育士1年目での転職は、職歴が短いためキャリアをアピールしにくいことが難点ですが、あなたの人柄の良さを分かってくれる園は必ずあります。
転職面接では、園が納得できる退職理由を伝えるとともに、保育士としての熱意や前向きな姿勢をしっかりアピールしましょうね。